第544話
「ピローン、ピローン、ピローン」
再び、木嶋の携帯が鳴り響いていた。
「誰だろう。もしかして…かれんさんからかな?そうだと嬉しいな!」木嶋は、心がウキウキしていた。
携帯の画面を見つめ…
「やはり、かれんさんだ。タイミングもいいな!」良し電話に出よう。
木嶋が電話に出た。
「もしもし、木嶋ですが…」
「私、かれんです。木嶋さん、先ほどは、メールありがとうございました。」かれんさんが、木嶋に丁寧に答えていた。
木嶋は、
「こちらこそ。かれんさん、ありがとうございます。X'masのことは、メールで書いた通りです。」かれんさんに話したのである。
かれんさんは、
「私、木嶋さんとX'masを過ごすのを夢見ていたんです。ママからは、《X'masparty》両日…店に、出勤するように言われていますが、実家で法事で田舎に帰ると伝えていますので、会うことに関しては、問題ないですよ。」木嶋に、猛烈にアピールしていた。
木嶋は、
「自分もね…いつもいる女性よりも、かれんさんと過ごしたいと考えていたんだ。2日間、一緒いるようにするよ。」かれんさんに告げた。
かれんさんは、
「私、X'masイヴに…少し、お洒落なお店へ食べに行きたいです。」
「分かりました。今から、かれんさんと一緒に食事が出来る場所を探します。」木嶋は、かれんさんの気持ちに応えたいと思っていた。
続けて…
「場所が見つかったら…かれんさんに連絡をします。」かれんさんに話し、電話を切ったのである。
「お洒落な店か…少なからずとも、関内駅周辺にはない。探すとなれば…横浜駅周辺か?みなとみらいあたりがいいのかな?」木嶋は、一人で呟いていた。
しかし、どうやって探せばいいのだろうか?
不安が付きまとうのは無理がない。
「インターネットを活用するか!それには、パソコンが必要だ。姉が、自分に…プレゼントしてくれたパソコンで見てみようか?」木嶋は、部屋に戻り…パソコンを取り出した。
パソコンの電源を入れ、インターネットにケーブルを繋いだ。
「光りケーブルなら速いのに…」そう感じざる得なかった。
木嶋が、パソコンを使うのも珍しい。
家には、まだ…《ワープロ》が健在である。
「本来なら、パソコンを使いこなさないといけないんだよな!」一人で話していた。
「いつまでも、【アナログ】ではなくて、自分自身が進化しないとな!会社で、パソコンを使う機会がないから…覚えないのは当然かな!」
パソコンが立ち上がった。
【Yahoo!Japan】のtoppageを開いた。
検索から…
「みなとみらい周辺で、お洒落な店…。」入力して、クリックした。
「こんな、デタラメな入力でヒットするのかな?」木嶋は、首を傾げていた。
画面から、error表示が出た。
「当たり前だよな。いい加減な入力で出るはずないよな?頭を抱えないといけないな!いざとなったら、歩いて情報を見つけてみるか!」木嶋は、心に決めたのであった。
「後は、自分の気持ち次第だ。頑張ろう!」