第541話
木嶋は、電話に出た。
「もしもし…木嶋です。」
「私、麻美です。木嶋君…お久しぶりです。」麻美が、木嶋に挨拶をした。
木嶋が、麻美と電話で話しをするのも、富高さんと、クラブ『P』に飲みに行って以来である。
「麻美さん、お久しぶりです。珍しいね、麻美さんから電話が掛かってくるのは…天気が変わるんじゃないかな?」麻美に伝えた。
麻美は、
「たまには、木嶋君の声を聴きたくなってね!富高さんと、お店に来て以来、私も、木嶋君に連絡をしていなかったので、元気にしているのかな?と思い立ちました。」木嶋の近況を尋ねていた。
木嶋は、
「麻美さん、心配を掛けて申し訳ありません。富高さん共々(ともども)元気ですよ。麻美さん…自分は、どうしたらいいのだろう?」心の中にある迷いを、麻美に話したのである。
麻美は、何かを察していたかのように…
「木嶋君が、言いたいことは、かれんさんと、はるかさんのことで悩んでいるんだよね?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「麻美さん、ごもっともです。同時に、両方を選ぶことは、自分には出来ません!」
【ハー】とため息をついた。
麻美は、
「私は、前から…はるかさんよりも、かれんさんがいいと思っています。今日、玲さんと会ったんでしょう?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「玲さんと会いました。麻美さん、連絡を受けたの?」麻美に聞いたのである。
麻美は、
「木嶋君の話しを聞けるのは、《私よりも…麻美さんの方が効果がある…と》玲さんが答えていたよ。」木嶋に告げたのである。
木嶋は、
「そうだね。玲さんより、麻美さんの方が付き合いが長いからね!はるかさんに対しては、今も、否定的だよね?」麻美に聞いていた。
麻美は、
「はるかさんは、木嶋君よりも、年配の方がたくさんいるので、今…背伸びをすることもないよね?」木嶋に答えていた。
木嶋は、
「麻美さんの指摘通りです。自分が、頑張っても努力が報われる可能性は薄いよね!」麻美に伝えた。
麻美は、
「そうだよね!年齢差があり過ぎるよね!かれんさんも、同じことが言えるが、考え方はしっかりしているよ!」木嶋に答えていた。
木嶋は、
「玲さんは、年内は、静観した方がいいと話していたよ。麻美さんも、そんな感じかな?ま麻美に尋ねていた。
麻美は、
「私も、玲さんと同じだよ!今は、彼女たちのやりたいことや見守ることだね!それが、優しさだと思うな!」木嶋に話したのである。
木嶋は、
「麻美さんも、そうなら…それが、一番の選択なんだな!」思わず…頷いていた。
麻美は、
「少し、キツいことを言ってしまったかな?木嶋君のためを思って話したんだ。それは、理解をしてね!それと、お店で…《X'masparty》をやるので、時間があるときに…富高君と一緒に来て下さい。詳しいことは、メールで確認してね!それでは、またね。」木嶋に話し、電話を切ったのであった。
木嶋は、
「もうそんな時期になるのか?富高さんと、相談しよう。」一人で呟いていた。