第538話
木嶋は、
「玲さん、自分は、彼女を夜の仕事をさせないためには、どうしたらいいのかな?」玲に聞いていた。
玲は、
「どうしたらいいんだろうね…?今の彼女は、夜の仕事に戻りたいと言っているの?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「現実的な話しをすれば、戻りたいと言っています。自分としては、かれんさんも大事だし、はるかも大事。両方ともに、今の昼間の仕事を頑張ってもらいたいんだ」
玲は、
「昼間の仕事だけでは、生活が成り立たないんだね。きっと…。木嶋君が、彼女たちの生活の面倒までは、見れないでしょう。」木嶋に答えたのだ。
木嶋は、
「そりゃあ…そうだよ。二人の生活までを面倒見るほど、給料を貰っていないよ。」玲に話したのである。
玲は、
「今は、木嶋君が…中立的な立場で、彼女たちを支援するようにしたらどうだろう!それが、一番の解決策だと、私は…思うな!」木嶋に告げた。
木嶋は、
「やっぱり…そうなってしまうのかな?」ボヤくしかなかった。
年配の女性店員さんが、玲のオーダーした牡蠣フライ定食を運んできた。
「お待たせしました…牡蠣フライ定食とホットティーです。以上で、ご注文をお揃いでしょうか?ごゆっくり…おくつろぎ下さいませ。」玲に話し、その場を離れて行った。
木嶋は、自分のオーダーした…ホットケーキに切り口を入れた。
「ホットケーキは、随分長い間…食べていないな?」ポツリと呟いた。
玲は、
「私も、食べていないな!スーパーで、粉を売っているよね?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「ホットケーキミックスと言う…商品名で売っているよ!」玲に答えたのだ。
玲は、
「帰りに、スーパーで買って行こうかな!」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「冷凍食品でもあるよ。」玲に告げた。
玲は、
「そっちにしよう。子どもたちも、喜ぶからね。」
「そうだよね…子どもがいる人は、楽をしないといけないよ!」木嶋は、意外に理解力があるのだ。
理解力が有りすぎてしまうために、女心が判らないのである。
木嶋は、
「玲さん、映画は観るのかな?」玲に問いかけていた。
玲は、
「映画は観るよ!何か…いい話しでもあるの?」木嶋に伝えた。
木嶋は、Gパンのポケットからチケットを取り出した。
「これ、会社で安く買ったんだ。自分も、映画を観るが、枚数があっても、消化出来ないので…少ないですが、観て下さい。」玲にチケットを、2枚渡した。
玲は、
「木嶋君、私が…貰ってもいいのかな?」木嶋に尋ねた。
木嶋は、
「こんなときでないと、渡すことが出来ないからね!」玲に話したのである。
玲は、
「木嶋君、ありがとう。有効期限は、いつまでかな?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「有効期限は、今年いっぱいだよ!」玲に伝えた。
玲は、
「それじゃあ…冬休みに、子どもを連れて行こう!木嶋君、今の彼女と、かれんさんのことは…結論を急ぐことないからね!焦らないことだよ。」木嶋に話していた。
木嶋は、
「そうだね。今年いっぱいまでは、静観するよ!」玲に伝えたのであった。