第533話
木嶋は、家路に向かいながら、一人で考えていた。
「林田さんも、自分と同じ状況で彼女が欲しいと言っていた。遊び友達がいるなら、彼女にするべきと考えるのも無理はないよな!実際、乗り越えないといけない《ハードル》が高過ぎる。」
心の中では、揺れ動いていた。
「かれんさんをするべきなのか?はるかをするべきなのか?はたまた…富士松さんにするべきか?選択が難しい。」
身近に、相談出来る人はいるが、否定的な意見が出るはずである。
「どうしたらいいのだろう?」堂々巡りで、埒が開かない。
「どこかに、一人旅をしてみたいな!」現在の心境を表していた。
「誰に持ちかけようか?今日は、日曜日。今なら…玲は、電話に出れるかも知れない…相談してみよう!」木嶋は、携帯電話を手に取り、番号をスクロールした。
「プッ、プッ、プルー」呼び出していた。
「なかなか電話に出ないな!また、かけ直して見よう」木嶋は、一度、電話を切ったのである。
「自分は、なぜ…はるかを選んでしまったのだろうか?他の人にするべきだったかな?」気分が落ち込むと、自問自答を繰り返していた。
はるかと出会った日…。
確かに…良く遊びに行っていた仲間が、結婚したので、そのお祝いをしたくて、《気の合う》人を誘い、横浜駅周辺で飲んでいた。
「タイムマシーンがあれば、クラブ『H』へ行かず、カラオケに行っていたら…どうなっていたんだろう?」ふと…想いに更けていた。
「麻美や、はるかに出会わなかったら…今、どうなっていたのだろう?」
木嶋は、考えれば…考えるほど、虚しさが、込み上げて来る。
「いつまでも、こんな状況を打破しないと…。自分自身を、開き直らないと…ダメなのかも知れない。」
玲に電話をしてから…一時間が、経過していた。
「さて…もう一度、玲に電話をして見ようかな?」木嶋は、再び…携帯を手にしていた。
先ほどの発信履歴から、番号をスクロールした。
「プッ、プッ、プルー」呼び出し音が鳴り響いている。
「もしもし…玲です。」
木嶋が、久しぶりに聞く…玲の声である。
「もしもし…木嶋です。玲さん、お久しぶりです。」玲に伝えた。
玲は、
「少し前に電話をくれたよね!出れなくて…ゴメンね。」木嶋に謝罪をしていた。
木嶋は、
「玲さん、気にしなくていいよ。《タイミング》的に、出られる状況ではなかったね!今日は、相談したいことがあるんだ。」玲に尋ねていた。
玲は、
「木嶋君が、相談したいことって…《何だろう?》気になっちゃうな!」木嶋に答えていた。
木嶋は、
「相談と言うのは、今、自分が遊んでいる女性のことなのですが…。」玲に答えていた。
玲は、
「木嶋君の遊んでいる彼女のことね?私自身、会ったことあるよね?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「玲さんに、紹介したことあります。」玲に告げた。
玲は、
「私は、麻美さんから紹介された女性がいいと思うな!」木嶋に、はるかと別れるように…促していた。
木嶋は、
「やっぱり…そうなってしまうのかな?」納得してしまう…のである。
続けて…
「別れたい気持ちはあるが、いなくなってしまったら…心が【ポッカリ】と空いてしまう。」今の心境を物語っていた。