第532話
木嶋は、
「リスクを伴うのは仕方ないと思うよ!林田さんは、何回…転職しての?」林田さんに聞いていた。
林田さんは、
「自分は、3回だな!転職したら給料が高くなると思われがちだが…そんなに、良いことばかりではないぞ。」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「そんなもんかね!」林田さんに答えていた。
林田さんは、
「人間関係とか、職場の雰囲気とかで変わってくるぞ!」木嶋に、戒めるように話していた。
木嶋は、
「自分は、今の会社しか経験していないから…それに対しては、何とも言いようがないな!」林田さんに答えたのだ。
「転職しても、女性に縁がないぞ!《モテる男性》は、どこの会社にもいる。」林田さんは、木嶋に話していた。
木嶋は、
「やっぱり…《モテる男性》は、いるんだな!自分は、一度でも…そんなことを経験していたら、また…違う人生を過ごしていたかも知れない。」林田さんに告げたのである。
「自分も、木嶋の言いたいことは理解をするよ!」林田さんは、木嶋に伝えた。
木嶋は、ビールを一口飲んだ。
「林田さん、クラスメートと会ったりしていますか?」林田さんに尋ねていた。
林田さんは、
「卒業してから、クラスメートと会ったことはないな!木嶋も、覚えているだろう?葬式があったことは…」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「自分も、行ったからね!あんなことになるなんて思っていなかったよ!」林田さんに話したのである。
【あんなこととは…】
木嶋、林田さんのクラスメートが事件に巻き込まれてしまった。
《まさか…事件に巻き込まれるなんて、思っていなかったのだ。》
その事件は、ニュースや、新聞記事に載っていた。
木嶋は、そのニュースなどを聞いたときに、我に返ったのである。
それ以来…クラスメートと連絡を取ろうと思いつつも、現実としては…無理である。
「木嶋…仕事が終わったあとは、どうしているんだ。」林田さんが、木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「彼女はいないが、遊んでいる女性ならいるよ。」林田さんに伝えた。
林田さんは、
「随分…微妙な言い回しじゃないか?なぜ…彼女にしないんだ。」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「年齢が若いんです。」林田さんに答えたのだ。
《年齢が若い》=《はるか》のことである。
林田さんは、
「若いって…いくつぐらいだ?」
「自分と、一回り違うよ。」木嶋は、林田さんに話したのだ。
林田さんは、
「木嶋と一回りか…確かに若いな!逆に言えば、若すぎるんじゃないか?」木嶋に問いかけたのだ。
木嶋は、
「そう言われても、不思議ではない。知り合った場所が、夜の仕事をしていたからね!」林田さんに伝えたのだ。
林田さんは、
「クラブの女性なら、高価な物を要求されていないか?」木嶋のことを心配していた。
木嶋は、林田さんが、言っていることは…正論だと感じていた。
「大丈夫。今は、昼間の仕事をしているから、金銭感覚は、【まとも】だよ!」林田さんに答えていた。
林田さんは、
「あまり、背伸びをしないようにな!どこかで、《ボロ》が出てくる。」木嶋に【無理は禁物】と諭したのである。
木嶋は、
「ありがとう。」と…お礼を述べた。
「木嶋、そろそろ…店を出るか?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「そうだね!あまり、間隔を置かずに会いたいね。」林田さんに願望を伝えた。
林田さんは、
「また、連絡をしてくれるか?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「了解。また、連絡をします。」林田さんに伝え、一緒に席を立ったのである。
木嶋、林田さんも…会計を終えて、お互いの家路に向かったのである。