第530話
木嶋は、
「年配の人でも、野球のゲームに熱中するんだな!」一人で関心を示していた。
「自分も、《あいつ》が、健在なら良かった…。」
木嶋の言う…《あいつ》とは…
1つ年下の男であった。
木嶋が、小学生に上がったときに、バイク事故で亡くなってしまったのである。
「いつまでも、一人でいるのは…身近に競う相手がいないからだよな。」自分自身で納得してしまうのである。
そんな中で…
木嶋には、はるか、玲、麻美、かれんさんたちと出会ったことが、凄く新鮮な気持ちにしていた。
最も、色んな場所で、夜の仕事をしている人たちが、《営業トーク》なのは、麻美から教えてもらったのである。
実際は、麻美たちも、《営業トーク》だったことは、あとから知ったことであった。
「さて…これから、林田さんのところに行かなければ…」木嶋は、強い責任を感じながら、階段を使い、ワンフロア下に降りて行く。
目で、林田さんの姿を追っていた。
「あれ、林田さんの姿が見えないぞ。どうしたんだろう?」
木嶋は、心配になり…Gパンのポケットから携帯を取り出した。
すると、着信履歴が、5件あった。
「誰だろう?」
「林田さんだ!電話をして見よう。」木嶋は、慌てて折り返し…電話をした。
「プルッ、プルー、プルー」呼び出している。
林田さんが、電話に出た。
「もしもし、林田だが…。」
「木嶋です。林田さんは、今、どちらにいますか?」木嶋が、林田さんに尋ねていた。
林田さんは、
「今か?ゲームセンターを出て…近くのコンビニにいるよ!」木嶋に答えていた。
木嶋は、
「近くのコンビニですか?なぜ…そこにいるのですか?」林田さんに問いかけていた。
林田さんは、
「10分ぐらい前まで、ゲームセンターにいたが、木嶋が…なかなか降りてくる気配がなかったので、一足先に、外の空気を吸いに出たんだ。」木嶋に伝えたのだ。
木嶋は、
「気を遣わせて申し訳ありません。野球のゲームをしていたら、年配の人に声を掛けられたので、話しをしながら…プレイをしていました。」林田さんに告げたのである。
林田さんは、
「そうだったのか?まぁ…年配の人も、野球が好きなのだから仕方ないよな。木嶋は、今…どこにいるんだ?か木嶋の現在地を気にしていた。
木嶋は、
「ゲームセンターの中にいますよ。」林田さんに答えていた。
林田さんは、
「了解しました!これから、ゲームセンターに戻ります。」木嶋に伝え、コンビニで買い物を終えて、ゲームセンターに歩いて行く。
コンビニから、ゲームセンターまで、歩いて…およそ5分ぐらいの距離である。
林田さんが、ゲームセンターの入口にたどり着いた。
木嶋は、林田さんから遅れること5分ぐらいで、ゲームセンターの入口に出たのである。
「林田さん、迷惑をかけて申し訳ない。」木嶋が、林田さんに謝罪をした。
林田さんは、
「木嶋…気にするなよ!これから、飲みに行く…か?」木嶋に話していた。
木嶋は、
「いいですよ。行きましょう!」林田さんに答えていた。
林田さんは、
「良し…行くぞ。」にこやかな表情を出しながら…木嶋と共に、闇夜に消えて行ったのである。