第528話
木嶋は、
「ノーアウトでランナーが、ファーストとサード。ピンチだが、ホームをアウトにしないといけない。守備のシフトをダブルプレーのシフトにしようと思いますが…どうですかね?」年配の人に相談した。
年配の人は、
「サードランナーは、仕方ない。ファーストランナーを、セカンドで、ダブルプレーにしてピンチを脱出しないと!」木嶋に話していた。
木嶋は、
「分かりました。」年配の人に告げた。
コントローラーで、作戦の項目にスクロールした。
守備のシフトは、
「ダブルプレーシフトでいいかな!」コントローラーと釦で操作した。
木嶋は、次のバッターに投げる球種の選択に迷っていた。
「ストレートとスライダーを打たれている。選択に困るな!」木嶋は、珍しく悩んでいる。
「いきなり…《ウイニングショット》のフォークを投げてみよう。」
球種の選択は、フォークに決まった。
「フォークを投げた。」
「カキーン」と鈍い当たりが、一塁側のフェアゾーンに、打球が転がっていた。
僅に、フェアゾーンからファールゾーンに切れて行く。
審判の判定も「ファール」である。
木嶋は、なぜか?…
【ホッ…と】していた。
「今のは、左バッターの内角低めに投げていたから、ファールになるのは分かっていた。次の球種は、何にしましょうか?」木嶋は、年配の人に尋ねていた。
年配の人は、
「クローザーの投げたウイニングショットのフォークを、引っ張ってファールにした。
タイミングは、少しズレている。ここで、ストレートを投げたら打たれてしまう。もう一球…フォークを、もう一球…投げて見ようか?引っ掛けて…ダブルプレーになる可能性があると思う。」木嶋に話していた。
木嶋は、
「自分も、そのように考えていました。」年配の人に答えたのであった。
球種の選択を…
「フォーク」にした。
バッターに投げた。
バッターは、球種を読み間違えたのか?…ボテボテの当たりが、クローザーの前に、ボールが転がった。
クローザーは、ホームを投げずに…ファーストに投げた。
「アウト」のコールである。
サードランナーは、ホームに帰った。
1点が、コンピューターのチームに入った。
点差は、3点。
「ランナーは、セカンド。このランナーを、ホームに返さないようにしないと…。」木嶋は、年配の人に話していた。
年配の人は、
「今の打球で、サードランナーが生還してしまったのは、仕方ない。セカンドランナーを、サードでアウトにしないと…!」木嶋に伝えたのであった。
木嶋は、
「了解しました!ただ、悪いことに…3.4.5番に回って来てしまった。最悪のシナリオだ。」年配の人にボヤくしかなかった。
年配の人は、
「3.4.5番を打ち取ればいいのです。」木嶋を励ましていた。
木嶋は、
「頑張ります。」言葉が、それしか見当たらなかった。
年配の人は、
「お兄ちゃん。3.4.5番に、ストレート勝負してもいいが、リスクが大きい。打たれても、悔いのない…投球をして行きましょう。」木嶋を話していた。
木嶋は、
「はい…っと」年配の人に答えたのである。
「フォーク」投げた。
コンピューターが、打ち返した
セ「良し、カンドラゴロだ。」木嶋は、ファーストに送球した。
「アウト。」のコールである。
これで、ツーアウトである。
「あと…一人だ。」自分自身を鼓舞していた。