第527話
木嶋は、
「泣いても、笑っても…最終回だ。点差は、4点ある。ランナーを溜めずに、一人一人…丁寧に、アウトを取っていけば、問題ないですよね?」年配の人に聞いていた。
年配の人は、
「そうだね。まずは、先頭バッターを、塁に出さないことだね!そうすれば…展望が開けてくる。」木嶋に答えていた。
木嶋は、
「このイニングは、クローザーを起用しようかと思っています。」年配の人に話していた。
年配の人は、
「最終回、クローザーが出てこないなんて…セオリーではない。それで、負けてしまったら仕方ないよ!」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「分かりました。」年配の人に告げたのである。
コンピューターの攻撃に入る前に…
タイムを掛けた。
当然…クローザーを起用する。
「ピッチャーは、残り…1人。やれるだけやるしかないか?」木嶋は、心の中で呟いた。
クローザーが投球練習を終えた。
コンピューターは、ラストバッターからの攻撃ではあるが、
当然の如く…
ピンチヒッターを起用した。
「出来る限り…3.4.5番まで回さなければ…勝てる可能性が高くなる。1人でも、ランナーが出ないようにしないとな!」気を引き締めていた。
木嶋のチームのクローザーが、ストレートを投げた。
「ボール」
木嶋は、
「初球のストレートを見送ったか!狙い球ではないのか?球そうすると…種の選択が難しい。さて、どうするべきか?」
「縦の変化球である…《カーブ》か?《スライダー》を投げて見るか? 」
木嶋の球種の選択は、《スライダー》である。
《スライダー》を投げた。
「カキーン」
打球が、真芯に当たったような感覚である。
「コンピューターは、《スライダー》狙いだったのか?」木嶋はボヤいていた。
外野の間を抜けていく。
「いきなり…ツーベースヒット。流れが、コンピューターに向かっている。非常に、良くない雰囲気だ。」年配の人に話していた。
年配の人は、
「ピンチの裏に、チャンスありだよ。ここを、無失点で切り抜けて行かないと…。」木嶋を励ましていた。
木嶋は、
「そうですよね!コンピューターも、4点の《ビハインド》は、キツイんじゃないんですかね?」年配の人に聞いていた。
年配の人は、
「コンピューターも、こういう展開は、慣れているはず…こちらが慌しまったら、《思うツボ》。冷静に、対処すれば問題ない。」木嶋に答えたのである。
木嶋は、
「了解しました!頑張ります。」年配の人に話したのである。
コンピューターの打順は、トップバッターに戻った。
「さて…セカンドランナーを、気にしないで行こう!上手くいけば…サードでアウトに出来るかもね!」淡い期待をしていた。
木嶋のチームのクローザーが、トップバッターに、カーブを投げた。
いきなり、セーフティバントである。
「セーフティバントか…!」
木嶋は驚き…ファーストなに投げるも、
「セーフ」である。
「ノーアウト…ランナーが、ファーストとサード。1点は仕方ない場面ですね…」木嶋は、年配の人に聞いていた。
年配の人は、
「そうだね!サードランナーは、仕方ない。これ以上…ピンチを広げないようにしないと!」木嶋に伝えたのであった。