第52話
木嶋は、
「麻美さん、本当に、今いる店を辞めないなら、都合をつけて行きますよ。参考までに、名前を教えて下さい。」麻美に伝えた。
麻美は、
「木嶋君、出来れば年内に来て戴けると嬉しいな!お店の名前は、クラブ『U』ですよ。」木嶋に話していた。
木嶋は、
「クラブ『U』ですね。来週、富高さんに話しをさせて戴きます。はるかさんにも、意見を聞きますけどいいですか?」麻美に尋ねた。
麻美は、
「木嶋君、はるかさんと会っているのですか?私も、【会いたいな!】って思うので、話しをしてみて下さい。富高さんにも、久しぶりに会いたいですね。」木嶋に伝えたのだった。
木嶋は、
「えぇ。定期的に、クラブ『H』の出勤前に会っていますよ。」麻美に伝えた。
麻美は、
「木嶋君、はるかさんオンリーなんだから…。私の存在を忘れないでね。来週、富高さんとの話し合った結果を教えて下さい。」木嶋に話し、電話を切ったのだ。
木嶋は、苦笑いを浮かべて悩んでいた…。
《麻美さんは、この業界に、長くいるからその意見を聞く機会を持つのも大切だが、はるかさんとの交際には、否定的だし…どうしたらいいのだろう。はるかさんに話しをしないとマズイかな!【多分、行かないで…。】と言うかも知れない。》そう思っていた。
木嶋は、意を決して、はるかに電話をしようと、腕時計を見た。
時刻は、午後8時を回っていた。
「あらら…もう、こんな時間?はるかさんは、今、クラブ『H』で仕事をしている時間だから明日にしよう。」携帯を左後ろのポケットに締まったのである。
翌日、朝、布団から起き、朝食を食べ終わった木嶋は、
「はるかさん、おはようございます。電話で話しがしたいので都合が良い時間を教えて下さい。」はるかにメールをしたのだ。
木嶋が、メールを送信してから3時間が経過していく。
家の近くにあるコンビニまで【雑誌】を買いに出かけた。携帯を家に置いたまま出てきてしまったのだ。
コンビニから帰宅した木嶋は、携帯を確認した。メールの着信履歴を見ていると、はるかからのメールがあったのだ。
木嶋は、はるかのメールを見た。
「木嶋さん、おはようございます。夕方なら電話に出れますよ。」
木嶋は、すかさず、
「夕方、時間を見計らいながら連絡をしますよ。」はるかにメールを返信したのだった。
夕方になり、木嶋の携帯が、
「ピローン、ピローン、ピローン」聞き慣れた着信音が鳴り響いていた。
木嶋は、電話に出た。
「もしもし、木嶋ですが…。」
「こんにちは。はるかです。話しは何でしょうか?」はるかが、木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「先週、はるかさんと話したあとで麻美さんから電話があったんですよ。」はるかに報告した。
はるかは、
「麻美さんから電話があったのですか?元気でしたか?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「元気でしたよ。実は…麻美さん、色んな店を渡り歩いていたが、今いる店に遊びに来ないか?そう打診があったのです。」はるかに話したのだ。
はるかは、
「麻美さんのことは、木嶋さんが良く話されているので…遊びに行きたいなら行って来てもいいですよ。」木嶋にOKサインを出したのだ。
木嶋は、
「麻美さんは、出来ることなら富高さんとはるかさん、3人で来て欲しいと言っていたよ。」はるかに伝えた。
はるかは、
「麻美さんの勤めている場所は関内ですよね。」木嶋に問い掛けたのだった。
木嶋は、
「そうですよ。」はるかに答えたのだ。
はるかは、
「行きたいのですが…私には、関内は寂れた町としかイメージがないんですよ。」木嶋に伝えた。
木嶋は、電話をしながらズッコケてしまった。
「関内が寂れた町ね…。」自分自身に言い聞かせながら、はるかに話したのだ。
「はるかさんは、どうしますか?」
はるかは、
「私は、今回、遠慮してもいいですか?」
木嶋は、
「はるかさんの意見を尊重します。」木嶋は、はるかにそう答えて苦笑いをしたのだった。
はるかは、
「ありがとうございます。またの機会に誘って下さい。富高さんを誘ってみては如何ですか?」木嶋に話していた。
木嶋は、
「そうだね。富高さんに話してみます。今日は、ありがとうございます。」はるかと携帯での話しが終わったのだった。