第519話
木嶋は、
「やっと…勝てる雰囲気になってきたぞ。」一人で呟きながら…
「コンピューターも、このまま、終わることはないよな?」一抹の不安が覗いていた。
「カキーン」
いい打球音が響いている。
木嶋のチームが、同点に追いついた。
「やっと、追いついたか?何とか…勝ち越さないと いけないな!」
俄然…盛り上がりを見せていた。
気がつくと、周りのゲームしていたお客さんも、木嶋が、プレイしている野球ゲームを見いっていた。
木嶋は、
「どうしようかな?ツーアウト、ランナーがファースト。打つしか作戦はないな!」 思いっきり…バットを振り抜いた。
「カキーン」
先ほどと、同じ打球音が響いているが…
ライトフライに終わってしまった。
木嶋の野球ゲームを見ていた年配の人が、木嶋の元に歩いてきた。
「お兄ちゃん、今のプレイは…惜しかったね!」木嶋に話しかけていた。
木嶋は、
「ありがとうございます。」年配の人に言葉を返していた。
年配の人が、
「このゲームをプレイするのは、初めてかな?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「いえ…2回目です。先ほど、初めてプレイして…ゴールド負けしてしまいました。」年配の人に答えていた。
年配の人は、
「見た感じは、2回目にとても…見えない。操作方法も、マスターしたのかな?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「ゴールド負けしたときに、操作方法を読み返しました。今のプレイをしているときに、高校の同級生が来て、《アドバイス》をしてくれました。」年配の人に伝えたのであった。
「なるほど。自分には、お兄ちゃんぐらいの年頃の子供が、生きていれば…同じぐらいだと思うんだ。」木嶋に話していた。
木嶋は、
「そうなんですか?自分も、親の田舎に、年齢の近い男性がいたのですが、小学生のときに、亡くなってしまったのです。」年配の人に答えたのであった。
年配の人は、
「自分も、一緒に…プレイしてもいいかな?」意外な申し出に、木嶋は、驚いていた。
木嶋は、
「この試合が終わったら…引き上げてしまいますが、いいですか?」年配の人に聞いていた。
年配の人は、
「いいですよ。」木嶋に答えたのである。
木嶋は、
「さっ…がんばりましょう。」年配の人に告げたのであった。
周りの人も、温かく
「頑張れよ!」木嶋たちに声を掛けたのである。
木嶋は、
「残り…3イニング。ピッチャーも、自チームは、あと…3人。どうしますか?」年配の人に尋ねていた。
年配の人は、
「今…投げているピッチャーは、何イニングを投げているのかな?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「このイニングで、2イニングです。」年配の人に答えていた。
「このまま…続投しよう。勝ち越されてしまったら…ピッチャーを交代させないと、残りイニングを考えたときに、逆転するのは、難しい。」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「そうですね。自分が、勝ち越す前に…点をとられないようにしないといけませんね。」年配の人に答えたのであった。