第516話
林田さんは、
「20(はたち)を越えたら、いきなり太り出してしまったよ。どうやら…太りやすい体質だったみたい。木嶋は、夜間高校のときから、《スタイル》が変わらなくていいな!」木嶋の変わらぬ体型を、羨ましく思っていた。
木嶋は、
「そうだね。自分は、少しでも…がっちりした体型になりたいと願望があるが、父親と同じで似ているよ。」林田さんに告げたのであった。
林田さんは、
「俺も、好きで…太ったのではないぞ。もしかしたら、ビールの飲み過ぎかもな!さてと、ゲームをするかな?木嶋が、《プレイ》しているゲームは、何だ?野球か?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「そうです。野球ゲームをやっているのですが、点が取れなくて…《イライラ》しています。」
「1回を終えて、3点リードされているのか?木嶋、この野球ゲームをやるのは初めてか?」林田さんは、木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「初めてだね。プレイする前に、操作方法を読んでいたが、思い通りにならないよ。」
「そうだろうな!最初は、そうさ!俺が、木嶋と同じ野球ゲームをプレイしていたら同じ展開かも知れないな!」林田さんは、木嶋に話していた。
木嶋は、
「林田さんは、何か…プレイしたいゲームはあるの?」林田さんに問いかけていた。
林田さんは、
「そうだな!木嶋のプレイしている野球ゲームの《アドバイス》しようかな?」木嶋に同意を求めていた。
木嶋は、
「林田さんが、《アドバイス》して戴けるなら嬉しいね!この試合…勝てるかも!」林田さんの申し出に快く賛成したのであった。
林田さんは、
「OK。これから巻き返そうか!」木嶋と共闘が始まった。
木嶋のチームの攻撃である。
林田さんは、
「木嶋、初回は…ランナーが出なかったのか?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「ランナーは出たが、スチールしようとしたら、牽制球に誘い出されてしまったんだ。」林田さんに答えたのだ。
林田さんは、
「相手が一枚…上手だったのか?」
木嶋は、
「そうなんだ。3点…《ビハインド》の状況で、どう攻撃しようかな?」林田さんに聞いていた。
林田さんは、
「先頭バッターを出塁しないと、攻撃の《リズム》が取れないよ。」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「簡単に打たないで、ボールを見ていて行こうと思うよ。」林田さんに答えたのだ。
林田さんは、
「そうだな!少し…ボールを見た方がいいぞ。」
木嶋は、林田さんが言う通りに…ボールを見るようにした。
初球、2球目と、ボールに手を出さないでいた。
コンピューターも、悩み始めた。
木嶋が打つなら…積極的に初球から行く。
それが、明らかに…違いが出ているので、戸惑いを隠せなかった。
3球目に、打ち頃のストレートが来た。
「カキーン」
打球が、外野の間を抜けた。
「ヤッター。ツーベースヒットだ。」木嶋は、身体全体で…喜びを表現したのである。
林田さんは、
「木嶋…浮かれてはダメだぞ。」木嶋に、戒めの言葉を投げ掛けたのであった。