第513話
木嶋は、地元に戻った。
「はるか、かれんさんと別れるべきか…!」悩んでいた。
「どうすればいいのだろう!」
「誰に、相談すればいいのかな?」
「麻美に話せば…はるかと別れて、かれんさんと交際したがいいと答えるだろう。」
頭の中では、堂々巡りになっている。
「そうだなぁ~。こんなに、心が…モヤモヤしているときは、何か?《スカット》する方法はないかな?野球観戦でもしようかな?」一人で呟いていた。
座椅子に座り、日刊スポーツを広げた…。
「今日の、セ・リーグの開催は、東京ドーム、神宮球場、甲子園球場か…?」
「さすがに甲子園球場に行くのは不可能。東京ドームは、チケットが入手困難だし…。神宮球場なら…《チケット》は手に入る。どうしようかな?今日は、野球観戦は止めよう。」木嶋は諦めたのである。
しかし…このままでは、《ストレス発散》が溜まったままでは、身体が参ってしまう。
左腕にしている腕時計で時間を確認した。
「午後6時を廻ったばかりか…?ゲームセンターに行くか…。」
木嶋は、思い立ったら行動するのが一番だと考えていた。
ゲームセンターは、地元の最寄り駅まで行かなければならない。
以前なら、家の近くに…ボウリング場など入っていたビルかあったか、不況の波に晒されて閉店してしまった。
地元の最寄り駅に着いた。
「最近のゲームセンターは、立体的になっているな!」
木嶋が、普段から、ゲームセンターに行かないので…変化に驚いていた。
「格闘技系のゲームは苦手だ。飛行機もののゲームがあればいいが、それもない。球ゲームをやろう。」
家では、主に、野球ゲームをやっているので、普通にプレイすれば…勝てるだろうと考えていた。
現実は、甘くなかった。
木嶋は、
「あまり…やり慣れていないから、先手必勝だ。」
初回の攻撃は、いとも簡単に、3人で終わってしまった。
その裏に、いきなり…3点を取られてしまう。
「コンピューターは、意外と強いな…と!」認識していた。
木嶋は、攻撃と、守備のリズムが掴めない。
「ピッチャーが悪いのかな?コールドゲームにならないようにしないと…!」
そうこうしているうちに、4点を追加されてしまう。
「このままでは、コンピューターに一方的に負けてしまう。ピッチャーを代えてみよう!」
ピッチャーを代えたが、流れが止まらない。
「完全に後手に廻っているな!」自分自身でも気がついていた。
「さて…どうするかな?10点取られたら…ゲームセットだな!」悩んでいた。
木嶋は、周りを見渡し…
「次に、プレイする人もいないから…ここは、コールドゲームになっても、また…トライしよう。」気持ちにゆとりを持っていた。
次の瞬間…
「カキーン」と…思い切りに打たれた。
「やっぱり、コールドゲームになったか!」思い描いていた通りの展開になってしまった。
「もう一度…操作方法を確認しよう!」
木嶋は、野球ゲームの説明を書いてあるボードを読んだのであった。