第51話
木嶋は、はるかとの電話を切ったあとで考えていた。
「今年は、はるかのプレゼント何にすればいいのだろうか?」
去年は、ブランドの『LOUIS VUITTON』だったように今年も、同じだろうか?
ふと、頭の中を過ぎったのだ。
はるかは、木嶋より断然若い。はるかの年代の好みが解らず困惑しても不思議ではない!
木嶋は、そう考えながら時間が流れて行く。
一週間後、会社から最寄り駅に着いたとき、木嶋の携帯が鳴り響くのだった。
「ピローン、ピローン、ピローン」聞き慣れた着信音。携帯の画面を覗くと、はるかからの着信だった。
「もしもし、木嶋ですが…。」
「木嶋さん、元気ですか?はるかです。」木嶋に話してきたのだった。
木嶋は、
「元気でしたよ。日にちは決まったのですか?」はるかに話しかけたのだ。
はるかは、
「日にちは、決まりましたよ。12月21日の土曜日にしたいのですが、木嶋さん自身、何か予定がありますか?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、左肩と左耳に携帯を押し付けて、
「チョット待って下さい。今、手帳を出しますから…。」
いつも会社への通勤で、持ち歩いているリュックから手帳を出したのだった。パラパラとスケジュールを確認していた。
「12月21日は…今のところは…、予定が空いているよ。」はるかに伝えたのだ。
はるかは、嬉しそうな声で
「本当ですか?その日に待ち合わせしませんか?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「OKです。仕事になった場合でも、他の人に変わって戴くから安心して下さい。はるかさんが、欲しい商品を探して下さい。はるかさんのことだから事前にリサーチをしているのではないでしょうか?」はるかに聞いていた。
はるかは、
「木嶋さんの話している通りですよ。私は、欲しい物は、沢山ありますよ。今しか買えない物もありますよね。ブランドに、どうしても目が行ってしまうのです。理解をしてくれますか?」木嶋に理解を求めていた。
木嶋は、
「理解をしますが、自分にも財政事情があるので、前にも話したと思いますが、提示した金額が精一杯の誠意です。」はるかに伝えたのだ。
はるかは、
「木嶋さんの誠意は伝わっていますよ。12月21日までに欲しい物は、リストアップして一緒に見に行きましょう。」木嶋に話したのだった。
木嶋は、
「勿論ですよ。はるかさんとデートする時間を長く作りますよ。会っているときは、時間に追われているからね。」はるかに伝えたのだった。
はるかも、
「私も、楽しみですよ。木嶋さんとデートするのが…。」木嶋に語ったのだ。
木嶋は、
「ありがとうございます。」はるかに言い、
「それでは、12月21日ね。待ち合わせ時間を知らせてね!」はるかに言いながら電話を切ったのだ。
木嶋は、胸を躍らせながら家に帰っていた。
家に帰る途中で、携帯の着信音が鳴り響いていた。聞いたことのあるメロディーだった。
「誰だろう。」
携帯の画面を覗いた。すると麻美からの着信だった。
木嶋は、麻美とは、メールでのやり取りはしていたが、クラブ『O』を辞めてからは、富高さんとの話し合いで、しばらくは、電話での話しをしていなかったのだ。
木嶋は、電話に出たのだ。
「もしもし、木嶋ですが…。」
「もしもし、麻美です。しばらくご無沙汰してしまい申し訳ありません。元気でしたか?」木嶋に問い掛けていた。
木嶋は、
「元気にしていましたよ。麻美さんは…。」麻美に話したのだ。
麻美は、
「元気にしていましたよ。クラブ『O』から放浪者のように、色んな店を、点々としながら今のお店に落ち着きました。木嶋君に一度、来て頂きたいので連絡をしました。」木嶋に話したのだ。
木嶋は、
「行ってもいいが、また、店を辞めるようになるんじゃないの?」麻美に問い掛けたのだった。
麻美は、
「今度は、辞めないので富高さんと一緒に来て下さい。」木嶋に話したのだった。