第507話
「プルッ、プルー、プルー」携帯を、マナーモードにしているので、バイブレーターが震動していた。
木嶋は、それに気がついた。
「もしもし、木嶋ですが…!」
「私、はるかです。木嶋さん、今、どちらにいますか?」はるかは、木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「今、東神奈川の病院で、ラウンジコーナーにいますよ!はるかさん、これから、こちらに来るのですか?」はるかに答えていた。
はるかは、
「今ですね…横浜高島屋にいるのですが、まだ、時間が掛かりそうな感じです。私、病院に行かなくてもいいですか?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「そのことに関しては、自分が決める問題ではありません。はるかさん自身で、決めて下さい。」はるかが、決めるように促した。
はるかは、
「分かりました。10分経っても、私から、連絡がないときは…来ないと判断して下さい。」木嶋に伝え、電話を切ったのだ。
木嶋は、はるかとの会話を終え…
「かれんさん、遊び友達は、来るか?来ないか?…まだ、判りません。それが、今の回答です。曖昧で申し訳ない。」かれんさんに頭を下げ、謝罪をしたのである。
かれんさんは、
「私自身…その女性に、会ってみたいですが、今の心境としては、来て欲しくないですね。」木嶋に本音を伝えた。
木嶋は、
「本当に、自分もそう思うよ。友達が、来たら修羅場になるし、かれんさんが《泣く姿》を見たくないね。」かれんさんに話したのであった。
かれんさんは、ホットレモンティーのキャップを開けた。
一口飲んだ。
「レモンティーは、おいしいですね!」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「そうだね。自分も、家で、粉末をお湯で溶かして、ホットレモンティーを飲んでいますよ。」かれんさんに告げたのである。
10分が経過した。
木嶋の携帯も、鳴らずにすんだ。
「かれんさん、友達は…今日は、病院に来ないみたいだよ。」木嶋は、かれんさんに伝えた。
かれんさんは、
「木嶋さん、そんなことを言って大丈夫ですか?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「大丈夫だと思いたい。いきなり…これから行くと言われたらどうしようかな?」不安な表情を隠せずにいた。
かれんさんは、
「あと…10分ぐらい待って判断した方がいいですよ。」木嶋に忠告したのである。
木嶋は、かれんさんと一緒に、携帯が鳴らないように願っていた。
更に…10分が経過した。
かれんさんは、
「木嶋さん、これで安心ですね!」安堵な表情を浮かべ木嶋に話したのである。
木嶋も、
「難関を突破したと思っていいね!」かれんさんに答えたのである。
すると、木嶋の携帯が…
「ピローン、ピローン、ピローン」鳴っていた。
木嶋が電話に出た。
「もしもし、木嶋ですが…!」
「私、はるかです。木嶋さん、まだ、病院ですよね?私は、横浜で待っていますよ!」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「了解しました。東神奈川の駅を出たら、電話をしますね!」はるかに話していた。
はるかは、
「待ってま~す。」木嶋に答え、電話を切ったのであった。