第504話
東神奈川駅の改札を出た。
「やっと着いたか!これからが修羅場になるのかな!」木嶋は、一人で自問自答していた。
再生会の病院は、東神奈川駅から歩いて5分ぐらいの距離にある。
「歩くだけで…汗が出てくる。この汗は、冷や汗になるのかな?」
再生会の病院に到着。
木嶋は、
「そう言えば…かれんさんの本名って何て言うのだろう?」かれんさんの本名を知らない。
「当たり前だよな!どうやって入ればいいのだろう?」一人で、病院の入り口に立ち尽くしていた。
「そうだ。麻美さんに聞いてみよう!」
木嶋は、すかさず…発信履歴から、麻美の携帯番号を《スクロール》した。
「プッ、プッ、プルー」呼び出し音が鳴り響いている。
麻美が電話に出た。
「もしもし…麻美です。」
「おはようございます。木嶋です。今、東神奈川の病院に着いたのですが…かれんさんの本名は、何て言うのかな?」木嶋は、麻美に素朴な疑問を投げかけていた。
麻美は、
「かれんさんの本名…?も、知
らないんだよね!そこに、はるかさんは、いるのかな?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「まだ、はるかさんは、東神奈川に来ていないよ!来るって話してはいるが…案外来ないのではないですか!そんな気がするよ!」麻美に答えていた。
麻美は、
「木嶋君…本当は来て欲しくてたまらないクセに…。はるかさんが、【ドタキャン】するかな?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「自分自身としては、来て欲しくないね!かれんさんに別れ話しなんてしたくない。いつまでも、一緒にいたい。」麻美に熱く語っていた。
麻美は、
「木嶋君は、誰にでも優しいからね!かれんさんの携帯に、電話をしてみたらどうだろう?」木嶋に《アドバイス》した。
木嶋は、
「病室に携帯を持ち込んでいるかな!」麻美に尋ねていた。
麻美は、
「私に、電話を掛けてきたぐらいだからね…。かれんさん、携帯を手元に置いているはずだよ!」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「分かりました。かれんさんに、これから連絡をしてみます。結論は、麻美さんに伝えます。」麻美に話し、電話を切ったのであった。
はるかから連絡が来る前に、先に…かれんさんと会った方が得策である。
携帯の着信履歴から、かれんさんの番号を探していた。
「あれっ…かれんさんの着信履歴がないぞ!あるのは、はるかと麻美だ」電話帳から《スクロール》しよう。
木嶋は、電話帳から…かれんさんの番号を探して発信した。
「プッ、プッ、プルー」呼び出している。
木嶋は、
「ドキドキするな!」緊張感が高ぶっていた。
木嶋が、かれんさんと話しをするのは、デート以来である。
「なかなか出ないね!どうしたんだろ?一度、電話を切ろう!か電話を切ったのだ。
すると、木嶋の携帯が…
「ピローン、ピローン、ピローン」呼び出し音が鳴り響いていた。
もちろん…はるかからの電話である。
木嶋は、電話に出るのを躊躇っていた。
電話は、まだ鳴っている。
「もうすぐ…鳴りやむだろう!」鳴り終わるのを待っていた。
呼び出し音が鳴りやみ…
木嶋は、かれんさんに、再び、電話をしたのであった。