第500話
「お互いが、納得する回答など…あるのかな?か木嶋は、不安になっていた。
はるかを立てれば、かれんさんが…
かれんさんを立てれば、はるかが…涙を流してしまうのは、目に見えていた。
「どうすれば…いいのだろう?」頭を抱えてしまった。
「全ては、成り行きに任せよう。」一つの結論に達した。
気がつけば…もう、日曜日になっていた。
「もう…日曜日か?日にちが経つのは早いな。」一人でボヤいていた。
朝8時…
「ピピッ、ピピッ、ピピッ…」目覚まし時計のベルで目を覚ました。
部屋のカーテンを開け、眩しい陽射しが、降り注いでいた。
「天気は、快晴なのに…自分の心は、晴れないな!」
木嶋は、結論が出なかったことに…苛立ちを隠せなかった。
朝ごはんを食べ終え…日刊スポーツを広げ読くんでいた。
「野球も、ペナントレースに終わりが見えているな!自分の応援しているチームは、大丈夫だ。」安心していた。
「ジャイアンツとドラゴンズの一騎打ちか…評論家の人たちの予想通りの展開。」
「パ・リーグは、ソフトバンクとライオンズ…自力のあるチームは強いな!」木嶋は、関心していた。
「ペナントレースと一緒で、自分の関係も…《デッドヒート》するのかな?どちらも、失いたくない存在になっているからな!」
悩ましい決断が、木嶋に果たして出来るのだろうか?
どんどん…時間だけが過ぎて行く。
「もう少ししたら…家を出ないと…何か?病院に、手土産を持参しないと…いけないな。」
木嶋は、誰にでも優しい。
以前…、小室さんが、右膝の状態が悪くて、入院していたときも、手土産を持参して行った。
病院のお見舞いに、手ぶらで行くには…気が引ける。
【何にしたら…いいかな!果物にしよう。】
木嶋は、地元の百貨店に入り、果物の盛り合わせを購入した。
【かれんさん、喜んでくれるかな?」半ば、心配になっていた。
「あっ…いけない!はるかもいるんだ。かれんさんばかりに気を取られていたよ。マズイね…果物の盛り合わせを止めよう。日持ちする…焼き菓子にしよう。」
あ危うく…差別をするところである。
木嶋のモットーは…
《誰にでも…公平が当たり前である。》
それが、麻美や玲でも同じである。
昼ごはんを食べずに、家を出た。
「待ち合わせまで、あと…2時間。気分転換に、ゲームセンターに行こう!」ゲームセンターに向かった。
最近のゲームは進化している。
《自分が、ゲームセンターに通っていたときと、比べようがないくらいに立体化しているよ。》驚いて言葉が…なかなか見つからなかった。
木嶋が、ゲームに熱中しているとき…
「ピローン、ピローン、ピローン」木嶋の携帯が鳴り響いていた。
「誰だよ。人が、ゲームに熱中しているときに…」呟いていた。
渋々(しぶしぶ)、携帯の画面を覗くと…はるかからの着信であった。