第499話
木嶋が、先ほど…送った麻美からの返信メールがない。
「返信メールがないのが、逆に不気味に感じるよ!」木嶋は、不安な気持ちになる。
メールを送信してから…3時間が経過していた。
一通のメール着信を知らせるサインが出ていた。
「麻美さんからだな!」確信めいた感触があった。
受信メールボックスから、最新のメールを開いた。
送信者は、麻美であった。
「木嶋君、連絡を戴きありがとうございます。日曜日に、かれんさんの病院へお見舞いに行ってくれると聞いて…大変、嬉しくなります。私は、一緒に行くことが出来ないので、《よろしく》と伝えて下さい。」
木嶋は、麻美からの返信メールを読んで…ホッとしたのである。
すかさず…
「何だ…麻美さん、来れないのか?拍子抜けしちゃたな…。【了解しました!かれんさんには、そのように話します。】また、現地に着いたら…連絡をいたします。」木嶋は、麻美にメールを送信した。
「本当に、これでいいのだろうか?」木嶋の心の中で、葛藤していた。
無理もない。
「麻美に、はるかが、一緒に行くことを言わなくて良かったのかな?」そればかりが、気がかりになっていた。
冷静になればなるほど、木嶋の胸が締め付けられそうである。
「一度、麻美さんに電話をしよう。」
木嶋は、躊躇うこともなく、発信履歴から、麻美の番号をスクロールした。
「プッ、プッ、プルー」鳴り響いている。
「今日は、なかなか電話に出ないね!」
木嶋は、一人で呟いていた。
「仕方ない。一回…電話を切ろう。」木嶋は、電話を切ったのだ。
間髪入れずに…
「プルッ、プルー、プルー」木嶋の携帯が鳴り響いていた。
木嶋が電話に出た。
「もしもし…木嶋です。」
「麻美です。先ほどは電話に出れずに申し訳ないです。木嶋君にしては、メールの後に…電話掛けてくるなんて珍しいね!何か?あったの?」木嶋と何年も一緒に話していると、行動が読めてくるらしい。
木嶋は、
「さすが…麻美さん。自分の行動を読んでいるなんて、《ビックリ》しました。」麻美に答えつつ…
「実はね…かれんさんの病院へ…お見舞いに行くのは、自分一人じゃないんだ。」麻美に告げた。
麻美は、
「やっぱりね!木嶋君が、一人で行くって言うから…おかしいと感じていたんだ。はるかさんも、来るんでしょう?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「そうです。はるかさんも行きます!本当なら黙っていれば問題ないが、麻美さんに話した方がいいのかな?と思い、電話をしたんだ。」麻美に答えていた。
麻美は、
「はるかさん、木嶋君と、かれんさんの仲を妬いているんだ。」木嶋の心を探っていた。
木嶋は、
「実際…どうなんだろうね!はるかさんは、自分と…かれんさんを引き離そうとしているよ。」麻美に伝えた。
麻美は、
「はるかさん、別れさせたいんだ!あの子らしいね。誰の意見を参考にするのではなく、木嶋君の決断力が求められているよ。」木嶋に決めるように促した。
木嶋は、
「麻美さん、ありがとうございます。どのような結果でも、お互いが納得出来る回答します。」麻美に伝えた。
麻美は、
「木嶋君…頑張ってね!」そう話し、電話を切ったのであった。