第495話
はるかは、2枚の洋服を持っていた。
左手には…【黒】
右手には…【ベージュ】
木嶋は、はるかの選んだ洋服を、頭の中にイメージしながら…
「はるかさんは、どちらの色が好きなの?」はるかに聞いていた。
はるかは、
「私は、【黒】も、【ベージュ】も好きですね!」木嶋に答えていた。
木嶋は、
「どちらも、好きと言われたら…どう答えたらいいのか分からないよ!今、自分の頭で描いている色は、【ベージュ】かな?はるかに伝えた。
はるかは、
「木嶋さんは、【ベージュ】ですか!私は、【黒】も良いと思ったのですが、意見を尊重します。」木嶋に話したのであった。
木嶋は、
「どちらにしても、洋服を買うのは、自分なので、はるかさんが、好きな色を購入したらいかがですか?」はるかに伝えた。
はるかは、
「そうですね!両方と言ったら、欲張りですかね?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「欲張りと言えば、そうなるかな?後は、本人の選択次第だね。」
「分かりました。やっぱり…両方買ってもいいですか?」はるかは、木嶋に同意を求めたのであった。
木嶋は、財布を取り出した。
「洋服を2着購入する…お金があったかな?」
「ホッ…としたかな?」妙な安心感が生まれていた。
はるかは、
「木嶋さん…どうしたのですか?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「はるかさんが、洋服を買うのに…財布の中を確認したのです!」はるかに答えていた。
はるかは、
「買えそうですか?」
「大丈夫だよ!」木嶋は、はるかに告げたのであった。
木嶋は、何気に…プライスを確認していたのである。
プライスを見ないと…後で、恥をかくのは、自分自身である。
今まで、何かを購入するときは、お金に余裕を持っているのである。
それは、相手に失礼がないように、木嶋の気遣いである。
人と付き合うのは簡単だが…別れるのは難しい。
日曜日に、かれんさんの病院に行くのだが…
はるかが一緒に行くことによって、波乱の展開になるのは、目に見えていた。
はるかが、木嶋を手招きしていた。
木嶋は、直ぐに…はるかの元に歩いて行く。
はるかから、洋服を2着…受け取り、レジに向かった。
女性店員さんが、
「いらっしゃいませ!」木嶋に声を掛け…
「商品をお預かりします。」
商品を受け取り、バーコードを、スキャンしていた。
今の時代は、バーコードで商品を管理している。
少し前なら、商品を見て…レジを打ち込んでいた。
技術の進歩は、目覚ましいものである。
「2点合わせまして…9880円になります。」女性店員さんは、木嶋に告げた。
木嶋は、財布から…10000円札を出した。
「給料日まで…あと1週間か?口座に、残高もあるから、大きな買い物をしなければ、乗り越えられそうだ。」自分自身に言い聞かせていた。
商品とお釣りを受け取り、店の外にいた…はるかに渡したのである。
はるかは、
「木嶋さん、ありがとうございます。」はるかは、木嶋に頭を下げていた。
木嶋は、
「いつも…世話になっているから…」はるかに、言葉を巧くか返せなかった。