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第49話

木嶋は、電車に乗り、一人で考えていた。

「果たして、今のままでいいのだろうか?」

そんなある趣の疑問を感じ始めていたのだ。

木嶋の心の中には、葛藤かっとうがあるのだ。

木嶋は、はるかと出会う前に、結婚情報センターみたいな所に登録をしていて、一人の女性を紹介されていた。

本来であれば、その女性と会わなければいけないのに、木嶋の優柔不断さが出てきてしまったのだった。

木嶋は、悩みながらも、どちらかに決めなけばならず、若いはるかを選択したのであったが、一種の罪悪感を感じていたのである。

また、木嶋は、会社の中で思いを寄せている富士松さんがいるのだ。

いつも身近にいる富士松さんを見つめているのだ。年齢は、木嶋と同世代であり、素敵な人なのだ。

現実は、木嶋は、目の前にいると、内向的になってしまうのだ。

なかなか思いを打ち明けられずに、自分にいきどおりを感じていた。

はるかと会うたびに、富士松さんのことを考えてしまい、胸が張り裂けそうである。

会社では、同期会の仲間や同僚たちに、

【木嶋は、誰が理想なんだ?】

聞かれることは、良くあるのだった。今は、《はるか》と遊んではいるが、木嶋の本命は、《富士松さん》であった。

同期の仲間や同僚、麻美さんや玲さんから聞くたびに《はるか》との交際を止めるように進言をされ始めていたのだ。

【何故だろう?】

はるかのことを悪く言うのだろうと思案していた。

そんな中で、木嶋は、富士松さんと会社で話しをする機会を探していた。

はるかと出会ってからそんな状況が、かれこれ1年近くが経過していた。

木嶋を乗せた電車が、まもなく最寄り駅に着こうとしていた。

最寄り駅から家までの帰宅ルートは、徒歩なので考えるには最適ではあるが、夜中は、車がスピードを上げて走行しているので、常に危険と背中合わせである。ましてや、アルコールが入っているから特にである。

家に着いた木嶋は、布団の中で、富士松さんのことやはるかのことを考えていたら、いつの間にか寝てしまったのだ。

次の日の朝、木嶋は、目が覚めたときに携帯が光っていた。

【誰だろう。】

緊張した赴きで携帯を覗いた。すると…玲からメールが着信していた。

玲は、

「木嶋君、昨日は、ありがとうございました。クラブ『O』が終わってから富高さんと一緒に朝までカラオケ行ったよ。富高さんは、始発の電車に乗って帰りましたので安心して下さい。」顔文字入りで送ってきたのだった。

木嶋は、

「玲さん、昨日は、先に帰って申し訳ありません。

富高さんを最後までお付き合いしと戴いてありがとうございます。

富高さんには、来週、会社に出勤したときに話しますね。玲さんのクラブ『O』なら富高さんは、弾けるのですが、麻美さんやはるかさんの店に行っても、大人しく飲んでいますよ。クラブ『O』が飲みやすいのかも知れません。また、ボトルが切れないうちに行きますよ。」玲にメールを送信したのだった。

玲は、

「ありがとうございます。

富高さんは、前に来たときもハイテンションだったよね!麻美さんが聞いたら怒られてしまいそうです。私も、木嶋君は高校の同級生なので、今の若い人たちより安心して飲むことも出来るよね。富高さんも、年代的に近いから話しも合うので、気軽にクラブ『O』に来て下さい。次回を楽しみに待ってますね。」木嶋に返したのだった。

木嶋は、

「日にちが判れば、連絡をしますが、横浜のクラブ『H』や麻美さんが、優先になってしまうのはご理解下さい。」玲にメールをしたのだ。

玲は、

「分かりました。木嶋君は、麻美さんからの繋がりだから仕方ないと思うよ。いつかは、私を一番になれるようになりたいな!」にこやかな顔文字入りのメールできたのだった。

木嶋は、

「いつかは、一番になれるよ!」玲にメールをしたのだった。

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