第489話
はるかは、木嶋に電話をした。
「プッ、プッ、プルー」呼び出している。
木嶋が電話に出た。
「もしもし、木嶋ですが…」
「はるかです。木嶋さん…お久しぶりです。今、話しをして大丈夫ですか?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「大丈夫ですよ!」はるかに答えていた。
はるかは、
「今…私は、横浜駅周辺にいるので、木嶋さんが、到着したら携帯に連絡をくれますか?」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「了解しました。」はるかとの会話を終え、電話を切ったのだ。
普段なら…もう少し長く話しをするのだが、これから会うので、短時間の会話で終えたのであった。 送迎バスの中で…安心をしたのか、寝てしまったのだ。
木嶋が、帰りの送迎バスの中で寝るのも珍しい。
会社から最寄り駅までは、10分である。
送迎バスが、最寄り駅に着く直前に、目を覚ました。
「もう…駅に着いたか?」
リュックを右肩に掛け、バスから降りたのであった。
「今日は、少し疲れているのかな?そうだよな…【ショッキング】なことがあったのだから当たり前か!」木嶋は、自分自身に言い聞かせていた。
いつものように、コンビニに寄る。
夕刊紙と缶コーヒーを買うのが日課になっていた。
時間に慌てているときは、夕刊紙を買わずに…そのまま改札口に向かうこともある。
改札口を通り…階段でホームに降りて行く。
まだ、発車するまでに…時間に余裕ある。
ベンチに座った。
「はるかと会うのも、2週間振りだ。」気持ちを入れ替えていた。
発車ベルが…
【プルー】鳴り響いている。
「さぁ~電車に乗るか!」
電車に乗った。
人は、生活リズムがあるように、電車の座る座席も決めていた。
座席に座り…夕刊紙を広げ、缶コーヒーを飲んでいた。
「今日も、大きな事件はない。」安堵の表情になっていた。
電車の中で、
「はるかに、何て…話せばいいのだろう?」これが、木嶋の今…現在の偽らずな心境であった。
現実に…本当のことを伝えると、気が引けてしまう。
「仕方ない。嫌われても…言うしかない。」心に決めたのだ。
電車が、乗り換え駅くに到着した。
「ここから…横浜駅まで、15分。」
~胸が張り裂けそうだよ…ペースが乱される…不安な夢を見ても…眠れない~
車内アナウンスが、
「間もなく…横浜、横浜です。JR線、京急線、横浜市営地下鉄線は、お乗り換えです。」聞こえていた。
「もう…横浜駅か?今日は、時間が経つのは早いな!」ボヤいていた。
横浜駅に着いた。
木嶋は、早速…はるかの携帯に電話をした。
「プッ、プッ、プルー」呼び出し音が鳴っている。
はるかが電話に出た。
「もしもし、木嶋です。今…横浜駅に到着しました。」はるかに伝えた。
はるかは、
「分かりました。待ち合わせ場所は、いつものコーヒーショップ『Y』でいいですか?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「いいですよ。自分は、これから…コーヒーショップ『Y』に向かいますので、早く来てね。」はるかに伝え、電話を切るのであった。
「コーヒーショップ『Y』の常連になるのもいいが、《メリット》がないな!」ため息をついた。
「他に、どこか目新しい店を探そう。」木嶋はそう考えたのであった。