第486話
「本当に、これでいいのだろうか?甚だ疑問だな。」木嶋の心は揺れ動く。
「いくら…かれんさんと約束はしたと言っても、はるかも、麻美も、玲もいる中で…上手く立ち回ることが出来ないのではないだろうか?」
かれんさんは、
「木嶋さん、次回は…一ヶ月以内に、会いましょうね。」木嶋に同意を求めていた。
木嶋は、
「自分も、それくらいの時期を目安にしないと、かれんさんの存在を忘れてしまいそうです。」かれんさんに伝えた。
かれんさんは、
「じゃあ…もっともっと、私は、アピールをしないといけませんね。はるかさんの予定ばかりを優先しないで下さいね。」
かれんさんが、木嶋に言っていることは、最もなことである。
人から見たら、好きな女性を最上位にするはずである。
1990年代の【バブル景気】の絶頂期…
たくさんの人たちとの出会いがあった。
その中でいい人もいた。
当時は、木嶋自身が若かったため…
「何とかなるだろう?」安直に考えていた。
それが、今…現在まで一人でいるのである。
そのときの優先順位は…
仕事が第一優先だったので、掴みきれなかったのだ。
かれんさんは、木嶋の彼女になりたい…
一心なのだ。
木嶋は、
はるか中心のスタイルを変えたくないのある。
それが、これから先も変わらないのかと…聞かれると、分からないとしか答えられない。
かれんさんは、
「私なりの《デートプラン》を練り上げて来ますね。」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「かれんさんなりの《デートプラン》ですか?楽しみだね!」かれんさんに伝えた。
かれんさんは、
「木嶋さんを、はるかさんと一緒に過ごすよりも良いと思わせます。」決意を新たにしたのである。
木嶋は、
「かれんさん、時間も遅いので、お店を出ませんか?」かれんさんに同意を求めた。
かれんさんは、
「いいですよ!出ましょうか?」木嶋に告げた。
木嶋は、テーブルの上にある…会計伝票を持ち、精算をした。
精算を終え…
木嶋は、リュックを右肩に掛けた。
かれんさんは、バックを右腕に掛けた。
「かれんさん…今日は、お疲れさまでした。また、来月会いましょう!」木嶋は、かれんさんに伝えた。
かれんさんは、
「木嶋さんと、お別れするのは、名残惜しいですが…仕方ありません。今日は、ありがとうございました。」木嶋に頭を下げた。
木嶋は、
「じゃあね!」右手を上げたのである。
これが、かれんさんとデート出来たのが、最初で、最後になるとは思いも知らなかった。
2週間後…
木嶋の携帯が…
「プルッ、プルー、プルー」と鳴り響いていた。
携帯の画面を覗くと…麻美からであった。
木嶋が電話に出た。
「もしもし、木嶋ですが…。」
「もしもし、麻美です。木嶋君…今、大丈夫?」麻美が、木嶋に聞いていた。
その声は、明らかに震えていたのであった。
木嶋は、
「麻美さん、何かあったの?」麻美に尋ねていた。
麻美は、
「かれんさんが…かれんさんが…」電話口で、泣いていた。
木嶋は、全てを察知したのである。