第48話
玲は、
「そうだよね。好きなはるかさんがいるクラブ『H』に飲みに行った方がいいよね!関内に来るよりは、横浜駅から歩いても近いよね。」木嶋に聞いたのだ。
木嶋は、
「玲さんが、話している通りです。関内は、一度、電車で、戻る形になるからね。駅から近い方が行きやすいね。」玲と富高さんに伝えたのだ。
富高さんは、
「実は、自分も、木嶋君が言っていることに賛成なんですよ。」玲に話したのだ。
玲は、
「それでも、関内に来てくれることは、私の存在が忘れらていないと思うから嬉しいよ。麻美さんも、移動しなければいいのにね…。」木嶋に尋ねてみた。
木嶋は、
「はるかさんと麻美さん、玲さんの3人が、同じ店にいてくれれば、【最高】で《ベストな選択》だと思います。ただ、障害があるのも事実だよね。《はるかさんに関しては、夜の仕事に関しては、人に頼らない。》と言って話しているからね。麻美さんと玲さんが、同じ店で働いていれば来やすくなると思いますが…。」玲さんに話したのだ。
玲は、
「私も麻美さんと同じ店で働きたいとは思っているよ。気になるのは、麻美さんの移動グセを直させないと…。」木嶋と富高さんに伝えたのだ。
「それなら、麻美さんの店に行っていいし、プライベートで会って話してもいいと思うよ。麻美さんの店に行くときは、富高さんも一緒に行きますよ!」木嶋の左隣りにいた、富高さんに尋ねていた。
富高さんは、
「木嶋君が、麻美さんの店に行くときは声をかけて下さい。自分も、たまには、麻美さんにガツンと言うよ!」木嶋と玲に高らかに宣言をした。
「富高さんにしては、随分強気だよね。今日は、飲み過ぎているんじゃないの?大丈夫?」木嶋は、富高さんの身体を心配していた。
いつもの富高さんなら、強気な言葉は言わない。
木嶋は、何回も一緒に、富高さんと飲みに出かけているが、こんなことを言うのは記憶になく、初めてだったのだ。
富高さんは、
「木嶋君、こんなに楽しい時間を過ごしたのは久しぶりだよ。」ホロ酔い気味に木嶋に話してきた。
木嶋も、
「いつも話していますが、富高さんが、楽しんでくれればいいですよ。お互い、たまにしか来ないのですからね。」富高さんに伝えたのだ。
玲は、
「木嶋君、富高さんは、いつも、こんなにハイテンションになるの?」木嶋に聞いてみた。
木嶋は、
「はるかさんの店でも、麻美さんの店でも、こんなにハイテンションが上がることはないよ。今日は、クラブ『O』に来るのを楽しみにしていたからね。」玲に話したのだった。
「ありがとう。今日は、楽しく飲みましょう。」玲は、木嶋と富高さんに声をかけて、新しい焼酎のボトルを持ってくるように、近くにいた店員さん話していた。
焼酎を、《アセロラ》で割った。とても飲みやすくて、木嶋と富高さんのグラスが空になっていく。
富高さんのグラスが、空になっていくペースが早くなっていく。
木嶋は、いつものペースを崩さずに飲んでいた。
そんな中で、木嶋は、時間が気になり腕時計を見たのだ。
午後11時を過ぎていた。木嶋は、帰ろうと思ったのだ。
「富高さん、そろそろ帰ろうと思いますがどうしますか?」富高さんに声をかけた。
富高さんは、
「今日は、楽しいから、まだ、飲んでいたいんだ。木嶋君に悪いけども朝まで関内にいるよ。」木嶋に問いかけた。
木嶋は、
「富高さん、本当に朝までいるの?」確認をしたのだ。
富高さんは、OKサインを出したので玲さんに、会計するように伝えたのだ。
玲は、会計伝票を木嶋に渡した。それを受け取り富高さんと金額を確認した。
金額は、折半で出すことに決め、財布からお金を取り出し、玲に渡した。
玲は、
「木嶋君、領収書は要るの?」木嶋に尋ねた。
木嶋は、
「領収書は要りません。富高さんを朝までよろしく」玲にお願いして、座っていた席を立ちあがったのだった。
富高さんは、
「木嶋君、悪いね。自分だけ残ってしまうなんて…。」木嶋に話したのだ。
木嶋は、
「いいよ。気にしていないから…。」富高さんに伝えたのだ。
玲は、
「今日は、ありがとうございました。」木嶋に会釈をして、クラブ『O』のドアの近くまで一緒にきたのだ。
木嶋は、
「富高さんを頼みます。」玲に頭を下げて、関内駅をあとにしたのだった。