第475話
木嶋は、
「居酒屋と言っても…チェーン店が多く、独創的な店は数えるくらいだね。チェーン店でもいいかな?」かれんさんに話したのだ。
かれんさんは、
「そうですね。木嶋さんが、良く行かれているお店があれば、それでいいですよ。」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「かれんさん、気を遣わせて申し訳ない。」かれんさんへ頭を下げ、謝罪をした。
以前なら木嶋は、横浜駅周辺で飲み歩いていて、店は何軒も、お気に入りがあった。どの店も、お客さんが入らないことには潰れてしまう。
「この横浜駅周辺にある…居酒屋でいいかな?」木嶋は、かれんさんに問いかけていた。
かれんさんは、
「私は、木嶋さんと一緒に同じ時間を過ごすことが出来ればいいです。」木嶋に答えていた。
この時の木嶋の心境は…
「かれんさんと別れ話を切り出すことが出来るのだろうか?」動揺は隠しきれない。
「きっと…何とかなるだろう。」安直である。
かれんさんは、
「木嶋さん、先ほどから顔色が悪いですよ!冷や汗が出ていますよ。」木嶋をからかっているのが分かっていた。
木嶋は、
「そんなことないよ。冷や汗ではなくて…体感温度が暑いからですよ。」かれんさんに告げた。
女性店員さんが、
「お待たせしました…《ホットティー》です。」かれんさんの目の前に置いた。
かれんさんは、
「ありがとうございます。私…オーダーしたのは、《アイスティー》なんですけど…」女性店員さんに、丁寧に話していた。
女性店員さんは、
「少々…お待ち下さいませ。」一度、テーブルから離れて行く。
再び…木嶋のいるテーブルに来た。
「すいません!私共の不注意で間違えてしまいました。お作り直させて戴きますが…いかがなさいますか?」かれんさんに聞いていた。
木嶋は、
「かれんさん、《ホットティー》でもいいのではないかな?」かれんさんに同意を求めていた。
かれんさんは、
「私は、これでいいですよ。」女性店員さんに伝えた。
「申し訳ありません。」女性店員さんが、かれんさんと木嶋に頭を下げたのであった。
カップの片隅に、そっと《レモン》が添えてあった。
「たまには、《ホットレモンティー》と言うのもいいね。」木嶋が、かれんさんに聞いていた。
かれんさんは、
「私は、いつも…家に居るときは、《ストレートティー》を好んで飲みますが、木嶋さんが、《ホットレモンティー》を【オススメ】するのでしたら、【チャレンジ】したいと思います。」木嶋に答えていた。
木嶋は、
「自分は、強要するつもりはありませんよ。」かれんさんに話したのだ。
かれんさんが、《ストレートティー》に、《レモン》を入れている。
「やはり《レモンの香り》がいいですね。病みつきになりそうです。」木嶋に答えていた。
木嶋は、にこやかな表情をしていた。
「はるかより、かれんさんが素敵に思えて来たぞ。」心の奥底にある浮気心に火を灯し始めていた。
かれんさんは、
「木嶋さん、《ホットレモンティー》は、家では、良く飲まれるのですか?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「家では、《ホットレモンティー》は飲みません。夏になれば、《アイスレモンティー》を好んで飲みますよ。」かれんさんに伝えたのだ。