第473話
横浜駅に到着。
「やれやれ…やっと横浜駅に着いたか?まだ、これからが長いな!」木嶋の思いである。
相鉄線の改札口を出て、いつものように…コーヒーショップ『Y』に向かった。
ドアを開け…
「この店の1Fで飲待ってんだことないな。1Fで待ってみるのもいいとな?」木嶋は、周りを見渡した。
しかし…
「空いている席はないな。仕方がない…2Fに行こう!」階段を上がって行く。
2Fに到着。
「まだ、かれんさんは来ていないみたいだ。」なぜか?ホッ…と胸を撫で下ろしていた。
空いている席は、たくさんあった。
「どこに座ろうかな?外を見渡せる…窓際の席にしよう。」木嶋は、一番奥の窓際の席に座った。
席に座り、女性店員さんが、木嶋の元に歩いて来た。
「いらっしゃいませ…」メニューと、お冷やをテーブルの上に置き…
「ご注文が決まりましたら、お声を掛けてくださいませ。」木嶋に伝え、その場を離れて行く。
木嶋は、メニューを見ながら…
「目新しいのがないな!」ボヤいていた。
「いつもと同じように、ケーキセットにするかな?」木嶋は、右手を上げ、女性店員さんを呼んだ。
女性店員さんは、木嶋のシグナルに気がつき、テーブルにやって来た。
「お待たせしました。ご注文をお伺いいたします。」
木嶋は、
「ケーキセットでお願いします。」
「ケーキセットのケーキは、何にしますか?」女性店員さんは、木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「そうですね…シフォンケーキでお願いします。飲み物は、ホットでアメリカンコーヒー。」女性店員さんに告げた。
女性店員さんは、
「ご注文の確認を致します。ケーキセットで、シフォンケーキとホットのアメリカンコーヒーでよろしいでしょうか?」木嶋に同意を求めた。
木嶋は、
「それでOKです。」女性店員さんに話していた。
女性店員さんは、
「畏まりました。少々(しょうしょう)、お待ち下さいませ。」木嶋の手元にあるメニューを下げたのだ。
再び…夕刊紙をリュックから取りだし、テーブルの上に広げた。
コーヒーショップに入る人の多くは、新聞や雑誌を持ってきて読んでいる人、勉強をしている人も多い。
木嶋は、腕時計で時間を見た。
「午後8時を回ったばかり…。かれんさんも遅いな!」一人で呟いていた。
待つこと…10分。
「プルッ、プルー、プルー、プルー」携帯が鳴り響いていた。
木嶋が電話に出た。
「もしもし…木嶋ですが…。」
「かれんです。木嶋さん、今…待ち合わせ場所に来ているのですか?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「待ち合わせ場所にいますよ。」かれんさんに答えていた。
かれんさんは、
「分かりました。今から行きますね。」木嶋に話し、電話を切ったのだ。
時を同じく…
女性店員さんが、木嶋のテーブルにケーキセットを運んできた。
「お待たせしました…シフォンケーキと、ホットのアメリカンコーヒーです。」木嶋の目の前に置いた。
木嶋は
「ありがとう。」女性店員さんに伝えた。
女性店員さんは、
「以上です。また、お声を掛けて下さいませ。」木嶋に話し、テーブルから離れて行ったのだ。