第472話
木嶋は、会社の最寄り駅にあるコンビニに入って行く…。
夕刊紙と缶コーヒーを買うのが、毎日の日課になっている。
コンビニで夕刊紙と缶コーヒーを買い…
「あ~あ…嫌になるな!」いつもより足取りが重い!
「はるかとデートなら気持ちが晴れるのにな…」ボヤきたくなる。
「約束したから行かないと、麻美さんの店に行ったとき…何を言われるか判らない!義理立てするようなものだな。」
観念したかのように…相鉄線の改札口を通り抜けた。
階段を求めて降り…ホームに向かった。
対面式のシートだったので、いつも座る車両に座った。
コンビニで、購入した夕刊紙を広げ、缶コーヒーのプルタブを開けた。
読み出したら…夢中になってしまうことも、【シバシバ】ある。
今日は、夕刊紙を読み、缶コーヒーを飲んでいても、身が入らない。
それだけ…木嶋のテンションが低い証拠である。
乗り換え駅で、急行電車に乗り換えないといけない。
「急いで…横浜に行こう!時間短縮になる。急行で行こう!」
最も…普通電車で行っても、横浜駅には行くのだ。
それが、【早いか?遅いか?】その差の違いである。
急行電車に乗り…
これから、かれんさんとの交際を、打ち切る話しを、いきなり持ちかけるのも気が引けてしまう。
どのタイミングで話しを切り出せばいいか…難しい選択を迫られている。
「かれんさんを立てれば、はるかが…。はるかを立てれば、かれんさんが…泣いてしまう。」これが、木嶋の優しさである。
人によっては…非情に徹することが出来るが、木嶋に、それが出来ないのだ。
ボーっとしていたら、
ドアが…
「ピンポン」と閉まった。
木嶋は、座る座席を探していた。
この時間帯は、長い座席なので、比較的に見つけやすい。
座席に座り、再び…夕刊紙を読み出した。
【フー】とため息が出た。
「どこで、待ち合わせをしようかな?」今日は、悩みが尽きない。
「はるかと待ち合わせをする…コーヒーショップ『Y』にしよう。」
木嶋は、リュックから携帯を取りだし、着信履歴から、かれんさんの電話番号をスクロールした。
メールの入力画面から、待ち合わせ場所である…
コーヒーショップ『Y』の場所を示す目印を表記して、送信ボタンを押した。
紙飛行機みたいなメール送信である。
木嶋が乗っている電車が、まもなく…横浜駅に到着する。
かれんさんから、OKの返事が来ない。
「メール…届いているのかな?」不安な気持ちになっていた。
「帰ろうかな?」
これが、木嶋の率直な気持ちである。
すると…
「ピローン、ピローン」木嶋の携帯が鳴っている…
「かれんさんからだ。」
木嶋が電話に出た。
「もしもし…木嶋です。」
「木嶋さん、かれんです。待ち合わせ場所…メールで確認しました。返信しなくて申し訳ないです。」かれんさんが、木嶋に話していた。
木嶋は、
「かれんさんから返事がないので、不安でしたよ。」かれんさんに伝えた。
かれんさんは、
「私は…滅多に、横浜に出て来ないので、見入ってしまいした。」木嶋に答えたのであった。