第470話
木嶋が、クラブ『U』に出掛けてから1週間が経過した週末の土曜日…。
家の中で、一人…悶々(もんもん)とした時間を過ごしていた。
「あれから1週間。月日が経つのは早いな!今日は、かれんさんとデートか…何か?
気乗りがしないな!今まで、こんなことはなかったのに…何か?気分転換することはないかな?」木嶋は、ボヤいていた。
1週間で起きたことは…
永岡さんが、インドネシアの工場を立ち上げるために、日本を離れて行ったのだ。
「これから、どうすれば良いのだろう?」
木嶋は、自問自答する毎日が続いていた。
「はるかに、バレたらどう?話せば良いのか…解らない。悩ましい。」
聞き慣れた携帯の着信音が…
「ピローン、ピローン、ピローン」鳴り響いていた。
木嶋は、携帯に出た。
「もしもし…木嶋ですが…!」
「木嶋さん、お久しぶり。はるかです。木嶋さん、今、何をしているのですか?」はるかは、木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「一人で、《ボケッ…》としています。」はるかに答えていた。
はるかは、
「木嶋さん、先日…麻美さんのクラブ『U』に行かれたんですよね?どうでした…?」木嶋に、麻美の近況を尋ねていた。
木嶋は、
「どうも…こうも…ないよ。何か…麻美さんの策略に負けたと言っても過言ではない。」はるかに話していた。
はるかは、
「策略って…何なの?」木嶋を問い詰めていた。
木嶋は、
「麻美さんが、はるかさんより、もっと…素敵な人を紹介すると言われてね!」はるかに、言葉を返そうにも…どうも歯切れが悪い。
はるかは、
「まさか…麻美さんから、紹介された人と付き合っているの?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「形の上では、そうせざる得なかった。」はるかに答えていた。
はるかは、
「形の上なら気にする必要がないよ。まだ、何か…引っ掛かることがあるの?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「実は、富高さんも、同じなんだ!」声に力強さを感じられなかった。
はるかは、
「マジで…?何で、今回は…そんな展開になってしまったの?」驚いた様子で、木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「麻美さんや、他の女性たちと話しているときに、トントン拍子に流れてしまい…まとめないと帰るに帰れなかった。」はるかに伝えた。
はるかは、
「麻美さん、私と木嶋さんがお付き合いしていることを知っているよね?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「麻美さん、自分が、はるかさんと付き合っていることを知っているはずなのに…上手いこと…やられました。」はるかに話していた。
はるかは、
「木嶋さんは、麻美さんから紹介された女性と付き合いたいの?」木嶋に告げた。
木嶋は、
「自分は、その女性とは…一度、遊んでみたい…!ダメかな?」はるかに尋ねていた。
はるかは、
「本当に…一度キリなの?」木嶋に確認をした。
木嶋は、
「はるかさん、今回…一度キリです。」はるかに答えたのであった。
はるかは、
「一度キリと、約束出してくれる?」木嶋に同意を求めていた。
木嶋は、
「約束します。」はるかに答えたのだ。