第469話
かれんさんは、
「木嶋さん、帰られてしまうのですね!私…凄く淋しいです。」木嶋に、猛烈にアピールしていた。
木嶋は、
「かれんさん、淋しいと言っても…お互い、今日、知り合ったばかりだよ。これからだよ。」かれんさんに告げた。
かれんさんは、
「そうですが…このまま、ずうっと会えない気がするのです。」木嶋に話したのだ。
木嶋は、
「そうならないように、頑張りましょう。」かれんさんを激励していた。
「木嶋君…関内駅まで時間に余裕があるかな?」富高さんは、木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「どうだろう?みんな…酒を飲んで酔っぱらっているからね。《歩くスピード》もかなり遅いと思います。」富高さんに答えていた。
永岡さんは、
「木嶋、そろそろ…精算が終わるか?席を立とうか!」木嶋と富高さんにシグナルを出していた。
富高さんは、いつも持ち歩いているバッグを持ち、左肩に掛けた。
木嶋も、リュックを…ソファーから持ち、右肩に掛けた。
まりんさんが、
「木嶋さん…今日は、ありがとうございました。」木嶋に頭を下げていた。
木嶋は、
「まりんさん…今日は、有意義な時間を過ごさせて戴きました。何か…意外なドラマが待っていたね。」まりんさんに苦笑いを浮かべて話していた。
麻美は、
「若い人たちから見たら、自分の友だちが増えたことはいいんじゃないかな!」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「そうかな!」麻美に軽く返したのである。
永岡さんは、
「ママさん…半年間、日本を留守にするが、木嶋と富高の面倒を頼みましたよ!」麻美にお願いをしていた。
麻美は、
「私の方が、面倒を見て戴くようになるかもね。半年後、無事にクラブ『U』に来て下さい。約束ですよ。」永岡さんに伝えた。
永岡さんは、
「分かった。半年後…クラブ『U』に寄らせて戴くよ。」麻美に話したのだ。
麻美は、店のドアを開けた。
永岡さん、富高さん、木嶋、麻美の順番でエレベーターに乗った。
麻美が、1Fの釦を押した。
まだまだ…蒸し暑さが残っている。
エレベーターの中も、冷房が効いていない。
「まだ、暑いね!」麻美が《ポツリ》と呟いていた。
富高さんが、
「麻美さん…仕事に燃えているからだよ。」麻美に告げた。
その横で聞いていた木嶋は、黙って頷いていた。
エレベーターが、1Fへ到着。
「こんな遅い時間まで…ありがとうございました。」麻美は、木嶋に挨拶をした。
木嶋は、クールに…
「また来るからね!」麻美に告げ…関内駅に向かって歩き出し右手を上げた。
木嶋は、
「永岡さん…今日は、麻美さんの策略に嵌められたような心境です。」永岡さんに話していた。
永岡さんは、
「最初から、ママは…そのつもりだったのではないか?」木嶋に答えていた。
木嶋は、
「そうですかね?」
頭の中で、今日のことを《リピート》していた。
言われてみれば思い当たることがあった。
それも、間髪入れずに若い女性が来たことである。
「そうだったのか!」木嶋は納得した。
そして…永岡さん、富高さん、木嶋の3人は、関内駅を後にした。