第462話
富高さんが、
「麻美さん、この寒空に、何分ぐらい待っていたの?」麻美に尋ねていた。
麻美は、
「何分ぐらい待っていたのかな?5分ぐらいだと思うよ。」富高さんに答えていた。
富高さんは、
「ビル風が吹き荒れている中で…5分でも、待っていたら風邪を引いてしまいますよ。」麻美に優しく声を掛けた。
麻美は、
「ありがとうございます。」富高さんに答えていた。
永岡さんは、
「富高…立ち話しはそれくらにして、クラブ『U』に入ろうではないか!」麻美に話していた。
麻美は、
「あっ…永岡さん、ごめんなさい。みなさん、こちらです。どうぞ…。」みんなをエスコートしていた。
エレベーターに乗り…5Fフロアに到着。
クラブ『U』のドアを、麻美が開けた。
「いらっしゃいませ…」女性スタッフの声が、店内を《コダマ》していた。
若い女性スタッフが…
「ママさん、お帰りなさい。ご用意も出来ています。」麻美に伝えた。
麻美は、
「準備をしてくれてありがとう。」若い女性スタッフに言葉を返した。
木嶋たちは、どこの席に座るか…周囲を見渡していた。
角の席に、【予約席】とボードが置いてあった。
「麻美さん…この席でいいかな?」木嶋は、麻美に尋ねていた。
麻美は、
「うん。そこでお願いします。今、上着を置いて来ますので、お座りになって下さい。」木嶋に告げた。
木嶋は、
「永岡さん…どこに座りますか?」永岡さんに問いかけていた。
永岡さんは、
「木嶋、前回…来たときと同じ席か?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「その時とは、違います。」永岡さんに答えていた。
永岡さんは、
「それなら…角の席でいいぞ。富高は、反対側がいいのではないか?」富高さんに《シグナル》を出した。
富高さんは、
「自分は、どこでもいいですよ。木嶋君は…」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「じゃあ…富高さんの隣りでいいよ。」富高さんに話したのだ。
全員が座ったのを確認して…
麻美が、木嶋たちのテーブルに来た。
「いらっしゃいませ…」麻美が、形式的な挨拶をして、席に座った。
麻美が、
「今日は、ありがとうございます。」
【おしぼり】を、永岡さん、富高さん、木嶋に手渡した。
すると…
「いらっしゃいませ…」若い女性スタッフが、2人…木嶋たちのテーブルに来た。
木嶋は、
「麻美さん、随分若い女性を連れて来たね!」麻美に告げた。
麻美は、
「はるかさんより、若いわよ!」木嶋に言葉を返していた。
木嶋は、苦笑いをしていた。
「ご紹介いたします。私の右手が…かれんさん。左手が…まりんさんです。今日は、よろしくお願いいたします。」麻美が、頭を下げた。
かれんさん、まりんさんも…
「よろしくお願いいたします。」声を合わせて…木嶋たちに頭を下げたのであった。
麻美が、かれんさん、まりんさんに耳打ちしている。
どうやら…どこに座るかを決めているみたいである。
木嶋は、
「自分は、麻美さんかも知れないな!」そんな予感がしていた。
木嶋には…まりんさん。
富高さんには…かれんさん。 永岡さんには… 麻美が座ったのだ。
木嶋の予感が外れた。
【ホッ…】と、胸を撫で下ろしたのであった。