第453話
富高さんは、
「本音を言えば、台風接近で中止にしても良かったよ。」木嶋に伝えた。
木嶋は、富高さんの言葉に苦笑いを浮かべながら…
「一番…気にしているのは、永岡さんだと思うよ。」そう答えるしかなかったのだ。
富高さんは、
「これから永岡さんに連絡を入れるんだよね?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「はい。永岡さんに連絡を入れますが…何か?不安でもあるのかな?」富高さんに問いかけていた。
「木嶋君。岡さんに、終電までに帰るのかを確認してくれるかな?」富高さんが、木嶋に話していた。
木嶋は、
「前回は、終電ギリギリで帰ったはずだよ。」 富高さんに告げた。
富高さんは、
「終電ギリギリで帰って…東京駅で乗り換えたまでは良かったんだ。そのあと、乗り換えた電車の中で寝てしまい…終点で、車掌さんに起こされ、そこの駅で、タクシーに乗り家に到着したのです。出来ることなら…時間に余裕を持って行動したいね。」木嶋に打ち明けた。
木嶋は、
「富高さんが、話していることは理解をしました。永岡さんと、麻美さんに伝えます。今回は、時間に《ゆとり》を持って行動しようと思います。万が一、終電を逃したら…《ビジネスホテル》に泊まるか?小室さんの家に泊まると言う選択肢があると思います。」富高さんに答えたのであった。
富高さんは、
「木嶋君、気を使わせて申し訳ないね。あとは…よろしくね。」木嶋に話したのだ。
木嶋は、
「了解しました。」富高さんに告げ、職場をあとにした。
腕時計で時間を確認していた。
「まだ、昼休みが終わるまで時間に余裕がある。永岡さんに電話しよう。」
急いで…携帯を取りだし、発信履歴から、永岡さんの番号をスクロールした。 「プッ、プッ、プッ、プルー」呼び出し音が鳴っている。
「もしもし…永岡だが…!」永岡さんが電話に出た。
「もしもし…木嶋です。今、大丈夫ですか?」木嶋は、永岡さんに尋ねていた。
永岡さんは、
「今、まだ昼休み中だ。大丈夫だ。」木嶋に答えていた。
木嶋は、
「今日は、予定通り…麻美さんのクラブ『U』に行きます。台風は、速度が上がっているので、夕方までには抜けると昼のニュースで伝えていました。」永岡さんに話していた。
永岡さんは、
「木嶋の言葉を待っていたんだ。富高は、大丈夫なのか?」富高さんのことを気に掛けていた。
木嶋は、
「富高さんは、大丈夫です。今回は、店を出る時間を少し早めたいと話していました。」永岡さんに答えていた。
永岡さんは、
「富高がそういうことを話しているなら、時間を考慮しよう。」木嶋に告げた。
木嶋は、
「永岡さん、すいません。小室さんにも、これから伝えます。」永岡さんに話していた。
永岡さんは、
「木嶋、あとは頼んだぞ!」安心して電話を切ったのだ!
木嶋は、小室さんの職場に向かおうとしたとき…
「キーン、コーン、カーン、コーン」予鈴のチャイムが工場内に鳴り響いていた。
木嶋は、
「仕方ない。午後の休み時間に行こう!」諦めて…自分の職場に戻って行った。