第452話
木嶋は、麻美との話しを終えて、ホッとしていた。
「これで、永岡さんを安心して頂けると思う!」そんな気持ちになっていた。
あとは、何事もなく…当日が来て、一日が終わりたい。
誰にでも不安がないとは言い切れない。
木嶋自身が、心配性なのだ。
クラブ『U』に行く日…
朝から天気は荒れ模様である。
なぜ?荒れ模様なのか?
それは、台風が関東地方に接近していた。
朝の情報番組では、関東地方を通り過ぎるのは、夕方である。
木嶋も…
「夕方か!帰る時間に当たる可能性がある。台風の通過速度が上がればいいな。」半ば祈るような心境であった。
「どうしようかな?」再考をしていた。
いつもと同じ通勤ルートで会社に向かった。
天気は、荒れ模様と言っても…青空が見えている。
「昼のニュースを聞いてから…富高さんの職場に向かおう。」木嶋は、1つの結論を出した。
「キーン、コーン、カーン、コーン」チャイムが鳴り響いている。
「これから食堂に行って、ニュースを聞かないと…。」台風の速度がどうなるか?それが、心配であった。
昼のニュースで、台風の速度が…朝よりスピードが上がっていた。
「予想よりも、早くに抜ける。」ホッとしていた。
そんなころ…木嶋の携帯が、バイブレーターの振動がしていた。
「何だろう?」ふと…画面を覗くと、着信があった。
食堂に行くときは、マナーモードにしている。
食事をしているときに、携帯が鳴るのは…マナー違反である。
着信した相手は、麻美であった。
食堂を出て、富高さんの現場に向かう途中で、麻美に電話をした。 「プッ、プッ、プッ、プルー」呼び出している。
麻美が電話に出た。
「もしもし…麻美です。」
「木嶋です。先ほどは電話に出れずに申し訳ありません。」麻美に謝罪をした。
麻美は、
「何も謝ることないのに…今日、あいにくの天気で、木嶋君たちが来れるのかな?と心配しているんだ。」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「台風は、早めに通過するみたい。そのことを含めて、富高さんに話しをしようと職場に向かっています。」麻美に答えていた。
麻美は、
「そんなこととは知らずに、電話を掛けてゴメンね!永岡さんとは、話したの?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「永岡さんとは、まだ話しをしていません。富高さんのあとで相談します。今は、予定通りと考えています。」麻美に伝えたのだ。
麻美は、
「結論が出たら、電話でも、メールでも連絡を下さい。」木嶋に告げ、電話を切ったのだ!
木嶋は、富高さんの職場に着いた。
「富高さん。」新聞を呼んでいる富高さんに声を掛けた。
「木嶋君、今日のことで、これから向かおうと考えていたんだ。」富高さんは、木嶋に話していた。
木嶋は、
「先ほど…麻美さんから、今日のことで連絡がありました。」富高さんに告げた。
富高さんは、
「麻美さんの心配は、台風でしょう?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「昼のニュースでは、台風のスピードは…これから上がるので、帰るときには…台風一過になっているよ。」富高さんに伝えた。
富高さんは、
「それを聞いて安心したよ。夜遅くに通過するとなっら、麻美さんの店には行かずに帰ろうと思っていたよ。」木嶋に偽ざる心境を話したのであった。