第451話
小室さんは、
「今回は、大森も、三谷も、誘わなくていいぞ。溝越も同じだ。」木嶋に念押ししていた。
木嶋は、あまりの迫力に、
「分かりました。」小室さんに言うのが精一杯で…
あとは、言葉にならず電話を切ったのだ。
気を取り直し…
永岡さんの携帯に電話を掛けた。
「プルー、プルー、プルー」呼び出している。
永岡さんが電話に出た。
「もしもし…永岡だが…」
「木嶋です。今…小室さんと話しが終わりました。」
永岡さんは、
「小室は行くようなことを話していたか?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「永岡さんと一緒に行きます…と、二つ返事で答えが返ってきました。」永岡さんに伝えたのだ。
永岡さんは、
「それならいいだろう。あとは、木嶋が…知り合いのお姉さんに話しを通してくれればいいぞ。」木嶋に答えたのだ。
木嶋は、
「はい。これから、知り合いのお姉さんに話しをします。期待をしていて下さい。」永岡さんに伝え、電話を切ったのだ。
【フー】と息を吐いた。
『今回は、物凄く…プレッシャーを感じる。前回の比ではない。押し潰されてしまいそうだ。』
これが、今の偽ざる…木嶋の心境である。
改めて…麻美の携帯番号をスクロールした。 「プッ、プッ、プッ、プルー」呼び出し音が鳴っている。
麻美が電話に出た。
「もしもし…麻美です。」
「木嶋です。麻美さん、バイクで…出勤途中かな?」
木嶋は、麻美が、バイクを運転しているのかを尋ねていた。
運転しているバイクは、原付である。
麻美は、
「まだ、家にいますよ。これから店に向かうところです。」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「それなら良かった。来週の金曜日って…誰か?お客さんと待ち合わせとかあるの?」麻美に聞いていた。
麻美は、
「お客さんとの待ち合わせはありません。木嶋君、どうかしたの?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「永岡さんが、クラブ『U』に行きたいって…連絡が来ました。そこで、麻美さんに、先約があるかを確認したかったのです。」麻美に伝えた。
麻美は、声を上ずりながら…
「本当に…」喜びを隠せずにいた。
「先約はありません。来週ではなく、再来週に予定が入っていますので、私から見れば…《ラッキー》ですよ。何人で来るのかな?それによって…女性たちに出勤して頂こうかな?」木嶋に話したのだ。
木嶋は、
「前回と同じメンバーで行きます。変化点はありません。」麻美に告げた。
麻美は、
「前回と同じメンバーなら、富高さんも…いるのね?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「富高さんいます。はるかさんは呼ばないよ!自分の個人負担が大きくなるからね。」麻美に話したのだ。
麻美は、
「木嶋君のためには、それがベストな選択です。」納得した声で木嶋に伝えたのであった。
木嶋は、
「来週の金曜日、よろしくお願いいたします。」電話口で、麻美に頭を下げた。
麻美は、
「来週の金曜日、お待ちしています。」木嶋に告げ、電話を切ったのだ。