第450話
「さて…小室さんに電話をしてみないといけないな!」
携帯の発信履歴から、小室さんの番号をスクロールした。
「プッ、プッ、プップルー」呼び出し音が鳴っている。
10コール鳴らしたが…出る様子もない。
「自宅の番号に掛けてみよう。」
再び、携帯を取り出し…電話帳から小室さんの番号を探していた。
電話帳は、【あかさたな】順で入っている。
「小室さんは…か行の一番下にあったかな?」
か行の電話帳をスクロールすると、小室さんの名前が出てきた。
「良し…もう一度、電話をしよう。」
「プッ、プッ、プッ、プルー」呼び出している。
小室さんが電話に出た。
「もしもし…小室だが…!」
「もしもし、木嶋ですが…小室さん、今…お取り込み中ですか?」木嶋は、小室さんに聞いていた。
小室さん、
「何だ…木嶋か?脅かすなよ!焦るじゃないか?」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「小室さんでも、焦ることもあるの?」小室さんに尋ねていた。
小室さんは、
「当たり前だろ…自宅の番号に電話をしてくる人はいないぞ!」木嶋に答えていた。
木嶋は、
「携帯に電話をしたが…繋がらず、やむを得ず自宅に掛けてしまいました。すいません。実は、永岡さんのことで連絡をしました。」
「永岡さんがどうかしたのか?」小室さんが、木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「永岡さんから電話があり…来週の金曜日に、クラブ『U』に行かないか?と誘いがありました。」小室さんに話していた。
小室さんは、
「永岡さんが、クラブ『U』に行きたいって…本当か?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「偽りではなく、真実です。」小室さんにアピールしていた。
小室さんは、
「真実か…永岡さんから飲みに行こう…と言うシグナルは大きいな!」木嶋に伝えたのである。
木嶋は、
「自分は、永岡さんから飲みに行こうと言う誘いを承けたのは、今回が初めてですよ。」小室さんに告げたのだ。
小室さんは、
「木嶋が、初めてなのは仕方ないな!」そう答えつつ…
続けて…
「来週の金曜日か?多分大丈夫だろう。俺も、参加メンバーに入れてくれないか?あとのメンバーは誰なんだ?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「あとのメンバーは、富高です。小室さん…不満があるのですか?」
小室さんは、
「大森と三谷は、誘わないのか?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「自分がメンバーを決めた訳ではない。永岡さんが決めたと思います。」小室さんに告げたのだ。
小室さんは、
「三谷、大森も、帰る方角が逆だしな…誘いがなかったと言うより、誘わなかった。そう考えればいいな
。」木嶋を納得させたのであった。
木嶋は、小室さんが言っていることは理解が出来た。
永岡さん、富高さん、小室さん、木嶋の4人に共通していることは、帰る方角が同じである。
木嶋が考えた最初の答えは…そうである。
実際は、永岡さんから見れば、三谷さんも、大森さんも、面識もなく、話す機会がないのは当然だ。