第442話
木嶋は、悩んだ。
「小室さんや富高さんにも、永岡さんのことは、伝えないといけないな!」譫言のように呟いた。
昼休みになり、木嶋は、小室さんの職場に向かった。
「小室さん、今…時間大丈夫ですか?」小室さんに問いかけていた。
小室さんは、
「木嶋…何か?あったのか?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「今日、仕事時間中に、永岡さんが自分の職場に歩いて来て…勤続30年表彰が終わったら、会社を辞めようかと思っていると言われて…動揺しているんだ」小室さんに思いをぶつけていた
小室さんは、
「やはり…そうだったか?」頷いていた。
木嶋は、
「小室さん、知っていたのですか?」小室さんに尋ねていた。
小室さんは、
「実は、あの後、永岡さんと飲む機会があり、その中で…会社の永年勤続の話しになり、一区切りにして、人生を…《リセット》したい。それで辞めると言っていたんだ。」
続けて…
「これからは、中国が発展するから仲間と会社を立ち上げると…」木嶋に答えていた。
木嶋は、
「中国は、民主主義制ではなく、共和国制だよね?発展するなんて思えないよ。自分には…」小室さんに話したのだ。
小室さんは、
「木嶋…お前は、まだまだ社会勉強が足りないぞ。」木嶋を叱咤していた。
木嶋は、
「勉強し直します。永岡さんは、《先見の明》があるので、その決断になったのかな?」木嶋は、小室さんに伝えた。
小室さんは、
「そうだな。我々(われわれ)には…ない感性を持っている。木嶋、富高には、永岡さんのことは、話しているのか?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「まだ、富高さんに話しをしていません。これから職場に行こうか?考え中です。」小室さんに、告げたのである。
小室さんは、
「富高に話した方がいいぞ。」木嶋に答えていた。
木嶋は、
「少なからず…《ショック》を受けてしまいそう。小室さん、そう思いませんか?」小室さんに問いかけていた。
小室さんは、
「ショックを受けるかも知れないが、意外と…《サバサバ》しているかもな!」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「永岡さん、自分に…こう話しをしていたんだ!」
「何て…言っていたんだ?」
「また、関内のクラブ『U」に飲みに行きたいとね。」木嶋は、小室さんに伝えた。
小室さんは、
「永岡さんらしいよ。」笑いながら…木嶋に話していた!
木嶋は、
「また、永岡さんが…関内のクラブ『U』に行くときは、小室さんも一緒に行きますよね?」小室さんにお伺いを立てていた。
小室さんは、
「いいよ。俺も、関内のクラブ『U』は気にいったからね。」木嶋に答えていた。
木嶋は、
「あとは、永岡さんに日にちを決めて頂きます。それでいいかな?」
「木嶋に一任する。」小室さんは、木嶋に伝え…その場を離れて行った。
木嶋は、
「責任重大だな!」ボヤくしかなかったのである。