第438話
木嶋が、渋い顔をしながら…時刻表を眺めていた。
「今、午後11時を廻ったばかりだが…飲んでいることを考慮すると、30分の…時間的(じかんてき
)な猶予がほしい。」呟き気味に話していた。
続けて…
「永岡さん、富高さんの帰宅距離を総合的に考えると【タイムリミット】そろそろ
店を出ないと…マズイかな!」一つの結論が出た。
「永岡さん、富高さん、終電や乗り継ぎを考えると…駅に向かわないと行けませんが…どうしますか?」木嶋は、富高さんに尋ねていた。
富高さんは、
「木嶋君、もう?そんな時間なの?小室さんと一緒に帰ろうと思います。永岡さんも帰りますか?」永岡さんに聞いていた。
永岡さんも、ほろ酔い気分である。
「木嶋、今…何時になるんだ?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「午後11時を廻りました。早めに、クラブ『U』を出ないと終電に乗り遅れてしまいます。」永岡さんに伝えた。
永岡さんは、
「じゃあ…帰ろうか!木嶋も、一人で残ることはないだろう?」
「もちろんですよ。小室さんも、帰りますよね?」永岡さんに答えつつ、小室さんに尋ねていた。
小室さんは、
「木嶋たちが帰るなら一緒に出るよ。また、来る機会があると思うが…」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「もう一度…来ますよ。ここの店は、雰囲気もいいからね。」麻美にアピールしていた。
はるかは、
「私の居たクラブ『H』も、雰囲気は良かったと思います。木嶋さん、一足先に帰ってもいいですか?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「あとは、みんなで何とかするよ。」はるかに告げた。
はるかは、自分の手荷物をまとめ…クラブ『U』のドアを開けようとしていた。木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「あとは、みんなで何とかするよ。」はるかに告げた。
はるかは、自分の手荷物をまとめ…クラブ『U』のドアを開けようとしていた。
そのとき…
「はるかさん、チョット待って…」麻美が、はるかを呼び止めた。
はるかは、
「麻美さん、何ですか!」麻美に尋ねたのだ。
麻美は、
「これは、私からの《ささやかなプレゼント》です。」はるかに手渡した。
はるかは、
「ありがとうございます。」麻美にお礼を述べた。
麻美は、
「木嶋君と、喧嘩をしないで、仲良くやりなさい。」にこやかな表情とは裏腹に、心の中では…怒りを押し殺していた。
はるかは、
「喧嘩しないように頑張ります。」麻美に、そう答え…クラブ『U』から出ていったのである。
麻美は、
「また、はるかさんと会える日をお待ちしています。」はるかに告げた。
これが、はるかと、麻美が、会うことはなくなるとは、誰も予測しなかったのである。