第427話
富高さんが、
「木嶋君、麻美さんのクラブ『U』は、この辺りなのかな?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「この辺りで合っているよ。最も、関内は、横浜スタジアムが主で、麻美さんの店は…言葉が悪いが、オマケみたいなものだよね。あっ…目印のコンビニが見えて来ました。」富高さんに告げたのである。
木嶋は、内心、ホッとしている。
なぜかと言うと…
小室さん、永岡さんをここまで連れて来たんだ…そういう自負がある。
麻美さんに、そう…胸を張って言えるのだ
永岡さんが、
「木嶋、ここがお前の通っているクラブなのか? 」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「立派なのは、このビルであり、店のなかは…ごく普通ですよ。」永岡さんに答えていた。
「これから、エレベーターで上の階に上がりますよ。」木嶋は、小室さんに話したのだ。
富高さんが、
「木嶋君、何か…久しぶりに緊張して来たよ。」
「緊張するなんて富高さんらしくないね!」木嶋は、苦笑いをしていた。
「ピローン、ピローン、ピローン聞き慣れた着信音が聞こえてきた。
木嶋が、電話に出た。
「もしもし…木嶋ですが…?」
「私、はるかです。木嶋さん…今、どこにいますか?」はるかが、木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「今、麻美さんのクラブ『U』の前にいます。これから、会社の先輩方と一緒に入るところです。」はるかに答えたのだ。
はるかは、
「私は、みなさんが入ってからでいいですか?」
「そうだね。みんなが、入ってからで大丈夫だよ。サプライズは、効果的に使わないとね!」木嶋は、はるかに告げた。
はるかは、
「分かりました。どのタイミングで行うかは、木嶋さんに任せます。
」木嶋に答え、電話を切ったのだ。
木嶋は、クラブ『U』のドアを開けた。
「いらっしゃいませ…」
若い女性たちの声が店内に響き渡っていた。
「木嶋君、お待ちしていました。」麻美が、木嶋に話していた。
木嶋は、
「すいませんね!クラブ『U』に来るまで時間がかかって申し訳ない。」麻美に頭を下げていた。
麻美は、
「木嶋君たちの席は、予約席のカードが置いてありますよ。」
木嶋と富高さんは、『グルリ』と周りを見渡した。
富高さんが、
「木嶋君、ここにあるよ。」木嶋に、シグナルを出した。
木嶋は、
「ここなの?」驚いた様子で話していた。
その席は…VIPシートであった。
「木嶋、VIPシートじゃあないか?」永岡さんが、木嶋に伝えた。
木嶋は、
「まさか…VIPシートだなんて予想もしていないですよ。」永岡さんに答えていた。
予約席に座り…
小室さんが、
「VIPシートなら、タキシードを着て歌わないといけないじゃないか?」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「どうやら…そんな雰囲気が漂っていますね!あとは、周りに座って頂く女性の盛り上げ方にも依りますね!」小室さんに話したのである。 麻美さんが、
「木嶋君、富高さん、お久しぶりです。こちらのお二方は…?」木嶋に問いかけていた。
富高さんが、
「自分が紹介します。」木嶋を制止して紹介していた。
「木嶋君の右側が、永岡さん、左側が…小室さんです。」麻美に告げた。
麻美は、
「初めまして…麻美です。」永岡さんと、小室さんに挨拶をしたのである。