第416話
木嶋は、
「これで、コースの料理は大体、揃いました。これから出てくる料理もありますが…ビールも目の前にあるので、乾杯したいなと思います。」永岡さん、小室さんたちに告げた。
周りを見渡し…
「みなさん、グラスを片手に乾杯〜。」木嶋が声を出した。
三谷さんも…
「乾杯〜。」溝越さん、富高さんも声を出したのだ。
近くで…
「グツグツと…」ちゃんこ鍋の音が聞こえている。
「もう大丈夫だな!」小室さんが、みんなに告げた。
それを合図に永岡さんたちが、鍋をつつき始めた。
木嶋は、
「もうそろそろ…大森さんが来る頃だな?」腕時計で時間を確認していた。
大森さんと木嶋は、同年代で話しが合うのだ。
最も…大森さんの仕事は、木嶋たちのラインサイドで使う…部品の供給している。
三谷さんが、
「木嶋、落ち着かない様子だが…どうしたんだ?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「もう…大森さんが来てもいい頃だと思うんだよね!」三谷さんに答えていた。
三谷さんは、
「今…何時だ?」木嶋に聞いていた。
「今…午後7時30分を過ぎたよ。」三谷さんに伝えた。
「もう来ても、可笑しくないよね?」三谷さんは、木嶋に話していた。
木嶋は、
「送迎バスの到着が遅れているのかな?」大森さんが気になっていた。
三谷さんが、
「木嶋、大森に電話をしたらどうだろう?」木嶋に、連絡を入れるようにススメた。
大森さんの携帯番号を知っているのは、小室さんと木嶋だけである。
木嶋は、携帯の電話帳から大森さんの番号を探した。
大森さんの番号を見つけ…発信した。
「プッ、プッ、プッ、プルー」呼び出し音が鳴っている。
大森さんが電話に出た。
「もしもし…大森ですが…」
「木嶋です。大森さん、今…どちらですか?」木嶋が大森さんに問いかけていた。
大森さんが、
「今ですね…送迎バスを下りて、最寄り駅の自由通路を歩いています。今いち、『華の舞』の場所が、判らないのですが…教えてくれるかな?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「今、どの辺りにいるのかな?」大森さんに聞いていた。
大森さんは、
「自由通路の仲をさ迷っているよ。」木嶋に答えたのだ。
木嶋は、
「今から、大森さんを迎えに行きます。そこを動かないようにね!」大森さんに告げた。
大森さんは、
「じゃあ…動かないで待っているよ!」木嶋に話し、電話を切ったのだ。
木嶋は、慌てて…靴を履いた。
その姿をを見ていた小室さんが、
「木嶋、大森を迎えに行くのか?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、頷きながら…
「これから行ってきます。」小室さんに答え…『華の舞』から出て、エスカレーターで下りて行く。
再び、最寄り駅の階段を下りて、コンビニに行く。
コンビニの前に立ち止まり…大森さんを探した。
大森さんの姿を見つけた。
「大森さん、こっちですよ!」大森さんに、右手を振り声を掛けた。
大森さんが気がついたのであった。
木嶋は、大森さんの元に歩き出した。
「木嶋君、悪いね!ここまで来てもらって…」大森さんが、木嶋に話したのだ。
木嶋は、
「気にしなくていいよ。」大森さんに答えて、一緒に『華の舞』へ向かって行くのであった。