第415話
「鶏肉、白菜、人参、讃岐うどん、具材は…すき焼きかな?」木嶋は、材料を見てそう思っていた。
最近、家で鍋を食べる機会が減っている。
「ちゃんこ鍋です。」女性店員さんが、永岡さんたちに話していた。
永岡さんは、
「木嶋、ちゃんこ鍋だってさ…」驚いた様子で、木嶋に伝えた。
木嶋は、
「ここ…『華の舞』で、ちゃんこ鍋を食べるとは思いませんでした。」永岡さんに答えたのだ。
溝越さんは、
「ちゃんこ鍋…大丈夫かな?」
「店にもよりますが、ホワイトソース味、醤油味、味噌味がありますから…色を見る限り、醤油味ではないでしょうか!」木嶋は、溝越さんに伝えた。
「次は、刺身の盛り合わせです。」
「酒のツマミには、刺身だな!『赤身』、『イカ』、『ヒラメ』、『サーモン』これだけあれば充分だな!」小室さんが、三谷さんに話したのだ。
三谷さんは、
「あと…何かがほしいね…酒のツマミになるのがね。木嶋、宴会コースで予約したのか?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「自分が、予約をしたのではないので、小室さんに聞いて下さい。」三谷さんに答えたのだ。
三谷さんは、
「小室さん、宴会コースで予約を入れたのですか?」小室さんに尋ねていた。
小室さんは、
「おう…宴会コースだよ!店のオススメにしたよ。」三谷さんに告げたのだ。
三谷さんは、
「店のオススメなら…そんなに悪いものは出ないよね!」頷きながら…小室さんに伝えたのだ。
小室さんは、
「そうだな!俺も、そう思うよ!」
女性店員さんが…
「お待たせしました。シーザーサラダです。」木嶋のテーブルに置いたのだ。
木嶋は、
「量が多いな!本当に…7人分かな?」
目の前に置いた器は…大きめの器である。
「どう見ても…10人分はあるぞ…刺身の盛り合わせも、量が多く感じられるのは気のせいか?何か間違いがありそうだ。」木嶋の不安が当たろうとしていた。
木嶋は、テーブルから離れて、入口に戻って行く。
「今日は、団体客が、かなりいるな。自分たちを入れて…10組か?」独り言を呟いていた。
店にもよるが、予約客を看板方式で掲示しているところは、数少ない。
時代の流れなのか…段々(だんだん)と無くなってきている。
「今の時代に、マッチしていないのかな?」首を傾げていた。
「この時期に、鍋料理が出るの不自然ではないな?」木嶋は、宴会コースメニューを見ていないので不安になっていた。
店内に戻った。
「木嶋、予約しているお客さん…何組いるんだ?」三谷さんが、木嶋に問いかけた。
木嶋は、
「自分たちを入れて…10組です。」三谷さんに答えたのだ。
小室さんは、
「あんまり気にしても仕方ないぞ。早く食べないとなくなってしまうぞ!」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「それもそうだな!」小室さんに話したのだ。
溝越さんが、
「そろそろ…ちゃんこ鍋の具材を入れるよ!」永岡さん、富高さんに声を掛けた。
永岡さんは、
「一度に入れたらどうだろう?」溝越さんに伝えた。
溝越さんは、
「そうですね。一度に入れましょう。」
野菜のカゴを右手に持ち、鍋に入れたのであった。