第412話
木嶋は、送迎バスに乗車した。
「やれやれ…」
ため息が出ていた。
「これからどういう展開になるんだろう!」
まるで…予測がつかない。
発車まで…あと10分。
送迎バスに、永岡さんが乗車してきた。
「木嶋、ここにいたのか?」木嶋に声を掛けた。
木嶋は、
「永岡さん、お待ちしていました。」永岡さんに伝えた。
「あれから人数の増減はあったのか?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「はい。人数は…一人増えました。」
「誰が来るんだ!」永岡さんは、興味津々に聞いていた。
木嶋は、
「溝越さんです。」永岡さんに伝えた。
永岡さんは、
「溝越…木嶋の職場の親方か?」木嶋に尋ねた。
木嶋は、
「そうです。自分の職場の親方です。永岡さん、面識がありますよね?」永岡さんに聞いていた。
永岡さんは、
「面識はあるが…一緒に仕事をしたり、飲んだ記憶はないぞ!」
木嶋は、その言葉を耳にしたとき…
「ズルッ…と」コケてしまった。
「溝越さんは、永岡さんと飲みたいと…自分にアピールしてきまして、判断しかねるので、小室さんに委ねました。」木嶋は、永岡さんに伝えた。
永岡さんは、
「小室が、OK出したのか?あいつにしては珍しいな!普段ならNGなのにな!」木嶋に話したのだ。
木嶋は、
「そうですね。小室さんは、いつも…人を《バッサリ》と斬る《タイプ》ですから…波長が合わない人間は嫌います。」
永岡さんも、
「木嶋の言う通りだぞ!」そう言いながら、首を縦に頷いたのだ。
そこに…富高さんが乗車してきた。
「木嶋君、お待たせ。あっ…永岡さん、お久しぶりです。」永岡さんに頭を下げた。
永岡さんは、
「富高、元気そうだな!」笑顔で、富高さんの右腕を叩いていた。
富高さんは、
「木嶋君から永岡さんが、飲み会に参加すると聞いて待ち遠しかったです。」永岡さんに伝えた。
永岡さんは、
「また、富高と飲めるなんて…自分も思わなかったぞ!」富高さんに話していた。
お互いが感傷に浸っているところへ…小室さんが、車内に乗り込んだ。
右手を翳し…
「おっ…主役が勢揃いだな!」木嶋に声を掛けた。
送迎バスのドアが閉まり発車した。
会社から最寄り駅まで…平均10分ぐらいだ。
「これくらいが丁度いい。」
木嶋は、長野に行くとき…長距離バスや路線バスに乗り慣れている。
路線バスは、最高で20分ぐらいしか乗らない。
それ以上掛かる場合は、電車を利用している。
送迎バスが、最寄り駅に着いた。
まず最初に、木嶋が降りた。
次に、富高さん、小室さん、永岡さんの順番で降りた。
小室さんが、
「木嶋、大森と三谷、溝越はどうしたんだ。」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「溝越さんと三谷さんは、『華の舞』に直接来ると話していました。大森さんは、残業です。」小室さんに伝えた。
小室さんは、
「大森は…残業か!何時までだ?」木嶋に尋ねた。
木嶋は、
「7時までと聞いています。」
「大森が来たら解散!って…冗談で言ってみようか?」小室さんが、木嶋に話していた。
木嶋は、
「小室さん、そんなことをしたら…大森さんが怒りますよ。」小室さんに答えた。
富高さんは、苦笑いをしていたのであった。