第408話
自分の職場に戻り…午後の仕事の準備を進め…
両腕を組み、大森さんの話しを思い出していた。
「大森さんの知り合いが、『華の舞』にいるのか…?みんなで飲んだときの話しをする《ネタ》に丁度いい。どこで、話題を切り出したらいいだろう?」木嶋の中では、悪戯心に火が点いていた。
「さて…これからどうするべきか?」思案していた。
腕時計で時間を確認した。
「もうすぐ…仕事を始めなければならないか!あとで、小室さんの職場に行こう。」
仕事を始めた。
午前中とは違い…仕事のペースが、捗っていた。
いつも一緒に仕事をしている三谷さんが、目を丸くしていた。
木嶋が、快調なときほど…落とし穴が潜んでいる。
「このまま…夕方まで突っ走りたい。」木嶋の思いはそうであった。
それは、飲み会に行く人たち…全員の切なる願いである。
午後の休憩時間になった。
木嶋は、ニヤニヤしながら小室さんの職場に向かった。
「小室さん…面白い話しがあるんですが…」
休憩所で煙草を吸っている小室さんに問いかけていた。
小室さんは、
「おう…木嶋か!顔がニヤついているが…何だ…面白い話しとは…?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「今日…大森さんの知り合いが、『華の舞』でアルバイトをしているみたいです。」小室さんに伝えた。
小室さんは、
「ほう…あいつの知り合いが、『華の舞』にいるのか?男か?女か?木嶋、どっちなんだ!」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「大森さんは、《どっちでもいいじゃないか?》と強い口調で否定をしていました。それから推測すると…女性ではないですか?」小室さんに伝えた。
小室さんは、
「女なのか?時間帯によっては…会う確率は、50%ではないのか?」木嶋に話していた。
木嶋は、
「小室さんと同じ意見です。昼休みの大森さんの慌てぶりを見ていると、尋常ではない。自分たちがいる時間帯の可能性が高いと思います。」
「そうか!あとは、『華の舞』でじっくりと、大森を《イタぶろう》か!」小室さんが笑いながら、木嶋に聞いていた。
木嶋は、黙って頷いていた。
「小室さん、まだ、永岡さんの回答待ちの状況ですが…何か?情報が入っていますか?」小室さんに問いかけていた。
小室さんは、
「永岡さんから、まだ、何も情報がないから判らないよ。多分、大丈夫じゃあないか?」木嶋に答えた。
木嶋は、
「今回の飲み会は、《オールスター》かも知れませんね。」小室さんに、ポツリと呟いていた。
小室さんは、
「そうかも知れないな。木嶋にしては、いいメンバー選考だ!」
辛口で話しをする小室さんが、珍しく木嶋を褒めていた。
木嶋は、
「成功か?失敗か?は…《神のみぞ知る》そんな心境です。」小室さんに話したのだ。
小室さんは、
「俺は、残業をやらないで、5時で上がるからな…木嶋は、何分発のバスに乗るんだ?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「現時点では、5時45分のバスに乗ろうかと考えています。大森さん、三谷さんも同じです。」
「分かりました。俺も、そのバスで行くよ。乗れなかったら、連絡するよ。」小室さんは、木嶋に伝えた。
木嶋は、
「了解しました!」小室さんに話し、自分の職場に戻ったのであった。