第403話
「もう一度…小室さんの職場に行ってみよう!」木嶋は、そう思い立ち歩き始めた。
木嶋の職場から、小室さんが良くいる休憩所までは、目と鼻の先である。
休憩所にいたのは…大崎さんだけであった。
木嶋は、
「大崎さん、小室さんはまだ来ていないみたいですが、今日は休みなの?」大崎さんに尋ねていた。
大崎さんは、
「まだ…何も連絡を受けていないよ!」煙草の煙りをはいていた。
木嶋は、
「連絡がない。そりゃあ…マズイな!」ボヤいていた。
大崎さんは、
「木嶋…今日、小室さんと何かあるのか?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「今日、小室さんたちと飲みに行く予定があります。」大崎さんに答えた。
大崎さんは、
「小室さんと飲みに行くのか!他には、誰が行くんだ?」
「他のメンバーは、大森さん、富高さん、永岡さん、三谷さん、自分を入れて6人です。」木嶋は、大崎さんに伝えた。
大崎さんは、
「とても…小室さんと繋がりがあるメンバーには思えないですが…!」苦笑いを浮かべ、木嶋に話していた。
木嶋は、
「色んな人に、小室さんと接点がないんじゃないかってね?言われますよ。永岡さんと、繋がりがありますよ。」大崎さんに答えていた。
大崎さんは、首を捻っていた。
小室さんと、永岡さん…
大崎さんから見れば…繋がりがあるようには思えないのは当然である。
小室さんは、一時期…今の職場を離れ、改善グループにいたことがあり、そのときの上司が、永岡さんだったのだ。
そのことを大崎さんは、覚えていないのである。
永岡さんと、富高さんは、同じ…技術課にいたことがあり…また、帰宅するルートも同じ方向である。
三谷さんは、大森さんと仕事柄話す機会が多い。
木嶋は、永岡さん、富高さんと交流があり…その延長線上で、大森さん、三谷さんを誘い込んだのだ。
木嶋が誘った人…
全員が飲むのが好きなメンバーである。
大崎さんも誘えば良かったと思うが、《アルコールは苦手》である。
キャラクターとしては、場を盛り上げ役に最適な人である。
「木嶋…今度、俺も誘ってくれるか…?」大崎さんが、木嶋にお願いをしていた。
木嶋も、文体リーダーを依頼されて引き受けた経緯もあり…断ることが出来ないのである。
「大崎さん、今度…機会があれば誘いますね。」大崎さんに伝えたのだ。
小室さんが、右足を引きずりながら職場にきた。
その姿を見たとき…
「自分が、無理をさせてしまったかな?」罪悪感に悩まされていた。
「木嶋…こんなところで何をやっているんだ?」小室さんが、木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「会社にきたとき…小室さんの姿を見なかったので、今日は、休みかと思いました。」小室さんに伝えた。
小室さんは、
「今日は、会社にくると昨日…電話で話したぞ!」木嶋に話したのだ。
木嶋は、
「会社に来ないんじゃないと不安になってね!自分には、幹事長役は出来ないよ。」深刻な眼差しで答えたのだ。
小室さんは、
「心配かけたな!」木嶋に告げたのだ。
木嶋は、
「右足のアルコール消毒しないとね!」小室さんにジョークを話していたのだった。