第401話
木嶋は、
「なぜ?はるかがキャンセルしてほしいと言ったのだろう。」首を捻り考えていた。
。
答えが見つからず…
「はるかさん、なぜ…麻美さんに会いたくないの?」はるかに尋ねてみた。
はるかは、
「私が行くことで、木嶋さんに余計な負担をさせたくないのです。」木嶋に答えた。
【余計な負担をさせたくない。】正論である。
木嶋は、
「はるかさんが心配する気持ちは理解していますが、今回、麻美さんの店に行く人たちが多いので、割り勘にしても個人負担は高くならないし、閉店までいないから大丈夫だよ。」はるかを安心させていた。
はるかは、人に対する思いやりがある。
その思う気持ちはどこの企業に行っても通用する。
「木嶋さんが、そこまで言うなら、私、行きます。」浮かぬ表情をしていたのが、晴れやかな顔をしながら話していた。
男性店員さんが、
「お待たせしました…ホットロイヤルミルクティーです。」木嶋のテーブルに置いた。
はるかは、
「ありがとうございます。」男性店員さんに伝えた。
男性店員さんは、
「ごゆっくり寛ぎ下さい。」木嶋とはるかに告げ、テーブルから離れて行く。
はるかは、いつものように…スプーンで砂糖をひとさじ入れ掻き混ぜた。
木嶋は、夏の暑い時期に、キリンビバレッジから発売されている…ペットボトルのアイスミルクティー飲むが、コーヒーショップでは飲まない。
変なこだわりがあるわけではない。
元々(もともと)…小学生の頃…家の近くに自動販売機があり、缶コーヒーを好んで飲んでいたので、コーヒー派になっていた。
どこに行っても、真っ先に…《アイスコーヒー》、《ホットコーヒー》とその言葉が出てしまう。
気分転換で、《ココア》をオーダーするが違和感を感じる。
紅茶系をオーダーしようかなと思うが、飲み慣れていないのか…オーダーを出来ずにいた。
はるかは、
「木嶋さん、紅茶系は嫌いなのですか?」木嶋に問い掛けていた。
木嶋は、
「紅茶系は、夏の時期にペットボトルで飲みますが、飲み慣れていないだけですよ!」はるかに、そう答えるしかなかった。
「毎回、ここで会うのは問題ないのですが…食べたい物がないのが残念です。」はるかは、木嶋に伝えた。
木嶋は、
「次回は、ピザとか居酒屋でも入ろうか?」はるかに聞いていた。
はるかは、
「木嶋さんは、いつも家で、ご飯を食べるのですよね?大丈夫ですか?」
「たまには、家で食べなくてもいいでしょう。はるかさんが食べたい物が居酒屋なら見つかるかも知れないね!」木嶋は、はるかに伝えた。
はるかは、
「木嶋さん、気を遣わせて申し訳ないです。」頭を下げた。
「頭を下げることでもないよ。」苦笑いしながら…
「強力メンバーが揃っているので、明日は、みんなで楽しく盛り上がろうよ。」はるかに答えたのだ。
はるかは、
「そうですよね!何時ぐらいに麻美さんの店に行く予定ですか?」木嶋に問い掛けていた。
木嶋は、
「大まかに言って…午後9時〜10時ぐらいだと思います。今は、それぐらいしか言えません。」はるかに話したのだ。
はるかは、
「私も、その時間をメドに行きますね。これから寄りたいところがあるので、先に出ますね。」木嶋に告げ、席を立った。
木嶋は、
「それでは、また明日。」はるかに手を振り、後を追うように席を立ち、店を出たのであった。