表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
397/968

第397話

「コーヒーショップ『Y』に来るのは、これで…何回目なんかいめになるのだろう?」ふとした疑問心ぎもんしんいだいていた。

はるかと、最初の待ち合わせは、コーヒーショップ『D』であった…

それ以降、カフェレストラン『F』、コーヒーショップ『Y』の3カ所を点々(てんてん)と回り歩いているのである。

どこの店も、何回も行っているので…メニューを見るたびに、きたりなフードしか置いていない。

「さて…今日は、何分後なんぷんごに、はるかが、来るのだろう?」木嶋が、珍しくワクワクしている。

それだけ…気分が乗っている証拠しょうこである。

「お待たせしました。こちらは、メニューでございます。」男性店員さんが、木嶋にメニューを手渡した。

木嶋は、メニューを受け取り…パラパラとページをめくっていた。

「何か?新しいのを創作そうさくすればいいのに…。そんな気概きがいを持っている人はこの店にはいないのか?」

日本人は、

ねっやすめやすい】ので、努力をおこたれば人が離れて行ってしまう。

木嶋が、コーヒーショップ『Y』オーダーするのは、スコーンセットか…ケーキセットが定番である。

はるかは、なるべく近所の人たちと会わないように工夫くふうをしているらしい。

木嶋も、たまに…家族が横浜駅に出て来ることもあるので、時間が重ならないように配慮するのも大変な苦労なのである。

「オーダーをお願いします。」木嶋が、右手を挙げ、男性店員さんに声を掛けた。

男性店員さんが、木嶋のテーブルに歩いてきた。

「お待たせしました。ご注文をおうかがいたします。」

「ミルクレープケーキセットで、飲み物は、ホットのアメリカンコーヒー。」男性店員さんに告げた。

男性店員さんは、

「ご注文は、以上でよろしいでしょうか?」木嶋に聞き返していた。

木嶋は、

「それでいいです。」男性店員さんに言葉を返した。

男性店員さんは、

かしこまりました。少々(しょうしょう)お待ち下さいませ。」木嶋のテーブルから離れて行った。

木嶋は、リュックの中から何かを探している。

リュックの中に入れているのは、折りたたみかさと、着替えである。

あと入れてあるのは、手帳である。

手帳には、その日に起きた出来事が書いてある。

大体が、新聞の記事を抜粋ばっすいして、手帳に書きしるしている。

手帳にその日の出来事を書き始めたキッカケは、家や会社で文字もじ文章ぶんしょうを書く機会がなくなり、漢字かんじを書くのが下手へたになっていると実感じっかんしていた。

家では、新聞を読むが…朝、駆け足で出て行くため、ゆっくりと読む機会がない。

家に帰ってきてから読んでいるので、話題にズレが出ている。

そんな状況が長く続いているので、帰るときも、夕刊紙を買うのが日課にっかになってしまっていた。

リュックの中から文庫本ぶんこぼんを取り出した。

木嶋が、文庫本を出すのも久しぶりである。

あまり読まないので、ところどころにれたあとがあった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ