第395話
木嶋が電話に出た。
「もしもし、木嶋ですが…」
「木嶋さん…お久しぶり、はるかです。元気にしていましたか?」はるかが、木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「元気でした。はるかさんから、何も…連絡がないから悶々(もんもん)と不安な日々を過ごしていましたよ。」はるかに伝えた。
はるかは、
「私は、友達と会ったりしていて、木嶋さんと連絡が取れずに申し訳ないです。」木嶋に謝罪していた。
木嶋は、
「本当だよ。携帯の番号を変えようか…と思ったぐらいですよ。」はるかに、怒った口調で話していた…。
はるかは、
「麻美さんのお店は、明日だよね?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「そう…明日ですよ。はるかさんに、日時に関しては伝えてありますよ。」はるかに答えていた。
「人数は、何人ぐらいになるのかな?」
「人数は、大体…5人前後になるかな?なぜ…はるかさんが、そんなことを聞くのかな?」木嶋は、不思議に感じていた。
はるかが、人数のことを聞くのは、クラブ『H』でバイトをしていたときぐらいしか思い当たらない。
麻美と連絡を取り…どんな様子か?探りを入れているように感じていた。
木嶋は、
「はるかさん、何か?可笑しくない?」はるかに問いかけていた。
はるかは、
「何か…可笑しいですか?」木嶋の問いかけに気づいていない…
「何が…可笑しいって思うのは、自分に人数を聞くのが可笑しいね!」木嶋は、はるかに伝えた。
はるかは、
「ついつい…バイトをしていた頃の癖が出てしまいました。」木嶋に答えたのだ。
木嶋は、
「それならいいんだ。麻美さんから…電話を入れるように依頼をされたと思っていたのです。」
「私が、麻美さんに依頼をされると思っていたのですか?仲が良くないので、それはないですよ。」はるかは、木嶋に伝えた。
木嶋は、
「まっ…依頼される確率は低いと思います。はるかさんが、麻美さんの店で働きたいと考えているのは事実だよね?」はるかに確認していた。
はるかは、
「その可能性は、《ゼロ》ではないですよ。働くなら…自分の知りあいがいるところが安心ですからね。木嶋さんも、不安にならないですよね?」
木嶋は、
「麻美さんの店なら安心していられるよ。待遇面も、少しはいいでしょう。」はるかに答えたのだ。
はるかは、
「麻美さんのお店の話しは置いて於きましょう。今日…これから会うことは出来ますか?」いきなりの言葉に、木嶋は戸惑っていた。
「これからですか?いいのですが…今、会社の最寄り駅なので時間にして…40分ぐらい掛かりますが、はるかさんが待つことが出来ますか?」はるかに尋ねていた。
はるかは、
「私なら、今…横浜駅にいますので、その辺りのショップを見ながら時間を潰していますよ。」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「分かりました。横浜駅に着いたら…電話か?メールをします。それでいいですか?」はるかに確認した。
はるかは、
「それでOKです。」木嶋に話し、電話を切ったのだ。
木嶋は、
「ハー」と、ため息を漏らし…
「今日は、早く帰ろうと思ったのに…」思わず…本音が出ていたのであった。