第391話
急いで職場に戻った木嶋は、時間がないことに焦りを感じていた。
「参ったね!」
一人で呟く。
大森さんが、木嶋の元に歩いてきた。
「木嶋君、小室さん…会社に見えていないけど何か…あったの?」問いただしていた。
木嶋は、
「朝、自分の地元駅で人身事故があり…小室さんと一緒に、会社の最寄り駅まで来たのですが、右膝の状態が良くなくて…駅から引き返して行ったよ。これから医者に行くと話していたが、木曜日は…どこの開業医も休みなはず…最も、かかりつけの総合病院に行けば状況は変わると思いますが…。」大森さんに答えていた。
大森さんは、
「小室さんのかかりつけの医者は、総合病院なの?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「そうです。自分も、3カ月に1回…そこの総合病院に通っていますよ。」大森さんに伝え…
続けて…
「小室さんの主治医が年配の人から、若い人に代わったみたいだよ。」
大森さんは、
「木嶋君、随分詳しいね!」木嶋に、驚いた様子を見せていた。
木嶋は、
「小室さんと一緒に帰ったときに話していたよ。若い先生はダメだってね。」
「言葉は悪いが…医者にも、《当たり》、《ハズレ》があるからね!自分も、咳が止まらずに、地元のかかりつけの総合病院に行き、【肺炎】と言われ…【真っ白なレントゲン】写真を見せられたことがあるよ。それで怖くなり…煙草を止めたんだ。」木嶋に話したのだ。
木嶋は、大森さんが、【肺炎】になったことも、【真っ白なレントゲン写真】のことも、直接聞いていたのだ。
夜の仕事をしている…玲、麻美は、煙草を吸っている。
大森さんは、煙草を止めてから体調が良いみたいである。
以前なら…一日、40本吸っていた。
飲みに行くと…更に本数が増えていた。
一緒に住んでいる女性も煙草を吸っているはずである。
そのことを、大森さんに問いただすと…
『トラ猫』だと言い張るのである。
木嶋は、煙草を吸う女性は、イメージが悪い。
幸い…はるかは、煙草を吸わない。
友達付き合いするのに、煙草を吸っている女性だったら…どうしようかと考えてしまう。
会社の中では、【非喫煙】している人と、【喫煙】している人の比率を%(パーセント)で表すと、喫煙している人が多い。
これからは、煙草を吸っている人が肩身の狭い思いをすることがあると感じていた。
木嶋は、
「先ほど…富高さんの職場に行き…小室さんのことは話してあります。午後3時の休み時間に電話をしてみますよ。」大森さんに話したのだ。
大森さんは、
「そうだね。明日…幹事が来てくれないと大変なことになるからね!」木嶋に伝えた。
木嶋は、頷いていた。
「大森さんの心配する気持ちは理解しています。場所と時間は、分かっているから問題ないよね!小室さんの会費だけだよね!」大森さんに聞いていた。
大森さんは、
「それも一利ある。自分の知らない人もいるのかな?」不安な気持ちを木嶋にぶつけていた。
木嶋は、
「大森さんが知らない人は、永岡さん…一人ですね!」大森さんに答えたのだ。
大森さんは、
「永岡さんって…どんな人なの?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「会ってからのお楽しみ…」大森さんに伝えたのであった。