第390話
「キーン、コーン、カーン、コーン」チャイムが工場内に鳴り響いていた。
「やれやれ…やっと昼休みだ!」木嶋は、一人で自問自答していた。
「食堂でご飯を食べてから…富高さんの職場に行こう。」そう思い立っていた。
ご飯を食べ終え…富高さんがいる職場に向かった。
「富高さん…お久しぶり!」富高さんに声を掛けた。
同じ会社にいても、職場によっては、生産のボリュームが違う。
木嶋のいる職場は、比較的多い。
富高さんの職場は、定時間で終わることが多々(たた)ある。
「おぉ〜木嶋君、どうしたの?珍しいね!」富高さんが、木嶋に答えていた。
木嶋は、
「実は、困ったことが起きてしまってね!」富高さんにボヤいていた。
富高さんは、
「木嶋君が、深刻に悩むなんて…相当問題が大きいね!」木嶋に話していた。
「そうなんだ!はるかさんのことは、富高さんは知っているよね?」木嶋が、富高さんに投げ掛けていた。
富高さんは、
「はるかさんのことは、木嶋君が良く知っているでしょう。」木嶋に話したのだ。
木嶋は、
「はるかさんが、麻美さんの店へ一緒に行きたいと…アピールしているんだ。」富高さんに伝えた。
富高さんは、
「はるかさんが、麻美さんの店に行きたいと言うなら…一緒に連れていけばいいと思うけど…ね。何か…不安があるのかな?」木嶋に告げた。
木嶋は、
「麻美さんが、はるかさんに…《いいイメージ》を抱いていないことは、富高さんに話したと思いますが…夜の仕事をするなら、そこでやりたいと言い出したんだ。」富高さんに話したのだ。
富高さんは、
「はるかさん、夜の仕事をしたいと言い出したの?そこは、木嶋君が抑えないと…。まぁ…麻美さんとは、年齢差があるからね…。やっかみみたいなことはあるよね。《いいイメージ》を抱かないのは当然じゃないかな!」木嶋に答えていた。
木嶋は、
「やはり…そうかな?麻美さんは、再三に渡り、はるかさんと別れた方がいいと、自分に伝えているのだ!」富高さんに話していた。
富高さんは、
「どっちも…どっちだよ。お互いが、木嶋君のことを《友達》としてではなく、《お客さん》としてしか見ていないんじゃないの?」
「自分も、そんな気がするよ!」木嶋は、富高さんに答えたのだ。
続けて…
「今日は、朝から悲惨なことばかりだよ。」
富高さんは、
「人身事故があったんだよね!自分も、その影響を被ったから…木嶋君が言いたい気持ちは理解しているよ。」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「小室さんも、一緒に会社の最寄り駅まで来たのですが…右膝の状態が悪くて、駅から帰宅しました。」富高さんに話していた。
富高さんは、
「明日…大丈夫かな?」深刻な表情を浮かべて…木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「大丈夫なことを祈りたいね。飲む場所は、『華の舞』で、スタート時間も聞いているから問題が生じても…最小限で済みそう。ただ…永岡さんがいるから、小室さんが来てくれないとね!」富高さんに伝えた。
富高さんは、
「そうだね!木嶋君、後で状況を教えてくれる?」木嶋に問い掛けていた。
木嶋は、
「また状況報告に来ます。」富高さんに告げ、職場を後にしたのであった。