第385話
木嶋は、小室さんと共に…京浜急行線で横浜に着いた。
改札口を出た。
はるかと出会ってから…横浜駅構内を歩き慣れているはずなのに…
いつもと違う雰囲気に戸惑いを隠せずにいた。
木嶋は、
「小室さん…相鉄線まで、長い距離を歩きますが大丈夫ですか?」小室さんの右膝を労わりながら話していた。
小室さんは、
「まだ、歩ける…大丈夫だ。」
「早く…良い医者を見つけないとね!」木嶋は、さらりと話したのだ。
「木嶋が、紹介してくれればいいよ。」小室さんは、木嶋に答えた。
木嶋は、
「大森さんを紹介しようか?」冗談半分で、小室さんの反応を示していた。
小室さんは、
「大森を紹介したところで、何か?俺にメリットがあるのか?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「メリットはありますよ!力が、人よりあるので、ハンマー片手に叩いて貰おうかなと思っています。」小室さんに伝えた。
小室さんは、
「俺の右膝が壊れてしまうぞ。」
「右膝を骨折した方が治るのが早いのではないでしょうか?」木嶋は、悪戯ぽく話していた。
冗談で話したつもりが…
何を思ったのか…?
小室さんは、
「それも、一つの案だな?大森に頼んで見ようか?」木嶋に答えたのだ。
木嶋は、
「今日…会社で大森さんの顔を見たら話してみよう。」小室さんに伝えたのだ。
小室さんは、
「頼むよ!」真面目な表情で、木嶋に話していた。
ようやく…相鉄線の改札口に着いた。
「やれやれだね!」
まさに…この言葉がピッタリである。
相鉄線の改札を入る前に、小室さんは、切符を買わないといけないのである。
小室さんの普段の通勤経路は、横浜市営地下鉄を使っていた。
今日は、横浜市営地下鉄を利用するのではなく、相鉄線のルートを選択した。
「木嶋…会社の最寄り駅まで、いくらだ。」小室さんは、木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「横浜駅からだと…340円になりますね。」小室さんに告げた。
「340円か…!」
小室さんは、そう言いながら…
カバンから財布を取り出し…1000円札を自動券売機に投入した。
最近の自動券売機は、
タッチパネル方式を採用しているメーカーが多く…年配の方でも、操作がしやすくなっている。
各鉄道会社によって…自動券売機の製造メーカーが違うのである。
世の中…談合疑惑が、色んな分野で世間を賑わせている。
そのメーカーだけが、受注出来るように、担当者同士…便宜を計っている。
一度が、二度、三度と繰り返すたびに、賄賂を貰うのが当たり前の構図になってしまっているのも考えものである。
これが甘えの構造である。
政界も、政治献金を貰っている議員が数多くいる。
その中で、議員…自らが関与せずに、公設秘書が…
【天の声】と言いながら、勝手にやっている人もいるのではないだろうか?
木嶋も、政治家になりたい野望は捨てていない。
尊敬している政治家と言えば…
【小沢一郎】さんである。
政治家の信念を持っていると、木嶋は、思っているのである。