第379話
木嶋は、
「もちろん。」と答えることしか出来なかった。
男性店員さんが、木嶋のテーブルに
「お待たせしました。ホットロイヤルミルクティーです。」はるかに渡したのだ。
はるかは、砂糖をひとさじ入れ、スプーンを使い掻き混ぜた。
はるかは、一口飲んだ。
「ここのロイヤルミルクティーは美味しいね。」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「そうだね。まだ、スターバックスやタリーズがないからいいのでは…」率直な意見を述べた。
続けて…
はるかさんに相談があるんですが…珍しく自分から話しを切り出した。
はるかは、
「どんな話しですか?」木嶋に問いかけた。
木嶋は、
「この店も悪くはないのですが…高島屋の並びにドトールコーヒーがあるのを知っていますか?」はるかに尋ねた。
はるかは、
「木嶋さんと、一番最初にデートしたところですよね?覚えていますよ!」木嶋に言葉を返した。
木嶋は、
「今度、ドトールコーヒーに待ち合わせしようかなと考えていますが…どうでしょうか?」はるかに問いかけた。
はるかは、
「ドトールコーヒーもいいですが、飲み物の単価が安いので美味しくないのではないですか?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「そう言われると…答えようないね。たまには、違う場所もいいと思いましたが、はるかさんがダメなら仕方ないですよ。」はるかに答えた。
はるかは、
「一度、行きましょうか?場所を変えるのは、気分転換にもなりますからね。」木嶋への愛情表現かも知れないが、果たしてどうなのだろうか?
不安が募ってしまう。
木嶋は、
「ドトールコーヒーに行くのは、次回にしましょう。」はるかに提案した。
はるかは、
「そうですね。」木嶋に答え…
「木嶋さん、一人でも…コーヒーショップに立ち寄るときがあるのですか?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「たまには、【ボー】としたいので、一人でも立ち寄るときもありますよ。そのときは、ドトールコーヒーにいる場合が多いですね。はるかさんは…」はるかに答えながら…
どうなのだろうと…興味本位で聞いていた。
はるかは、
「私も、一人で…【ボー】としたいなと感じたら…この店に寄りますね。」木嶋に伝えた。
木嶋は、はるかの答えを聞いて…
「ホッ…と」一息ついた。
その表情には、安心感が漂っていた。
「木嶋さん…どうしたのですか?」はるかが、木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「自分の顔に何か…ついているかな?」髪をかきあげながら…はるかに、ジョークを言った。
はるかは、
「顔に出ていますよ!」
「何て…」木嶋が、はるかに質問した。
はるかは、
「自分は、安心したぞ…ってね!」読心術で透かしたように告げた。
木嶋は、驚きを隠せず…
「良く判ったね。」はるかを褒めた。
はるかは、
「木嶋さんは、すぐに表情に出ますからね。」木嶋に答えた。
木嶋は、苦笑いを浮かべるしかなかった。
「木嶋さん…私は、買い物に行きたいので、これで失礼しますね!」木嶋に伝え、席を立った。
木嶋は、
「来週の金曜日ね。」はるかに話した。
はるかは、
「は〜い。」と答え、階段を一段ずつ下りていく。
木嶋は、はるかの後ろ姿を見つめ…
伝票を持ち、1Fへ下り、会計を済ませ、横浜駅をあとにしたのであった。