第365話
「日高豚蒸ししゃぶ、北の黄金鶏味くらべ串盛り」をつまんだ。
「永岡さん、以前…陸上仲間との飲み会で、ここに来たことがありますが…他の料理も美味しいですね。年数が経過すると、メニューも、リニューアルされますよね!鮪の兜焼きを食べたことがありますよ。」木嶋は、永岡さんに話したのだ。
永岡さんは、
「鮪の兜焼きか…。大人数で食べるにはいいぞ。今日、注文するか?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「鮪の兜焼きを食べたい気持ちはありますが、永岡さんと2人で食べ切れれば問題ないですよ。」永岡さんに答えたのだ。
永岡さんは、
「それなら注文しようか?」手元にあるボタンを押した。
「ピンポン」と店内に音が響いていた。
先ほど席に案内して頂いた女性店員さんが、木嶋のテーブルに歩いてきた。
「お待たせしました。ご注文をお伺いいたします。」木嶋に話しかけた。
木嶋は、
「鮪の兜焼きをお願いします。」女性店員さんに伝えた。
女性店員さんは、
「鮪の兜焼きですね。畏まりました。当店の人気メニューでしてお出しするまでに、少しお時間を戴きますがよろしいでしょうか?」木嶋に答えていた。
木嶋は、
「こちらで、鮪の兜焼きを食べたときに美味しかったので…待ちますよ。」女性店員に告げた。
女性店員さんは、嬉しそうな表情で、
「ありがとうございます。」笑顔で言葉を返し、テーブルを離れていった。
永岡さんは、
「木嶋、彼女はいると…言っていたが、いつまでも、一緒いるとは限らない。他の女性を知るのもいい機会だぞ!どうだろうか?」永岡さんは、木嶋に伝えた。
木嶋には、苦い思い出がある。
永岡さんと飲みに行ったときに…当時は、中国系の人は、あまり見かけることが出来なかった。
中国と聞くと…共産主義をイメージしてしまう。
永岡さんは、先見の目があり…木嶋が見習わないといけないと思っている。
「中国の女性を紹介してもいいぞ!」永岡さんは、木嶋に問いかけた。
木嶋は、
「中国の人もいいのですが…自分としては、日本人がいいですね!」永岡さんに答えた。
永岡さんは、
「会社に、気になる女性でもいるのか?」木嶋に問いかけた。
木嶋は、
「います。富士松さんがいいと思いますが、いかがでしょう?」永岡さんに問いかけていた。
「富士松か…?木嶋らしい選択だと思うが、交際している男性がいるのではないか?他の部署にも何人か?いると思うが…?」永岡さんは、木嶋に尋ねた。
「そうですね。身近にいる女性を見つめないといけませんね!永岡さん、誰か?会社の人を紹介して下さい!」木嶋は、切実なる思いがあった。
いつまでも…現状のままがいいとは思わない。
打開策があれば聞きたいぐらいだ。
「営業にもいるぞ…!」永岡さんは、木嶋に答えていた。
木嶋は、
「永岡さんが、会社にいるうちにお願いします。」永岡さんに頭を下げた。
永岡さんは、
「時間があるときに話しに行ってみようか!」木嶋に話したのだ。
木嶋は、内心期待をしていても不思議はない。
香ばしい臭いがしていた。
女性店員さんが、
「お待たせしました。鮪の兜焼きです。」木嶋のテーブルに持ってきた。
永岡さんは、
「随分、ボリームがあるな!」驚いた様子で木嶋に話していた。
女性店員さんは、
「これが、ここの人気メニューです!」木嶋たちに話し、その場から離れて行った。