第36話
木嶋は、
「はるかさんは、若いよ。富高さんから見たら子供がいてもいい年齢かも知れません!」富高さんに、話していた。
富高さんも、
「実際には、そうなんだよね。自分に子供が居てもおかしくない年齢だよね!」木嶋に、問い掛けていた。
木嶋も、
「自分も、富高さんのことを言える立場じゃないよ。」と言い、富高さんと一緒に、苦笑いをしていた。
車内アナウンスが、
「次は〜、横浜〜、横浜〜」アナウンスされていた。
木嶋と富高さんは、座っていた席を立ち、進行方向に対して右側のドアに立っていた。
「ピンポン、ピンポン」鳴りながら、電車のドアが開いた。
「横浜〜、横浜〜」
駅構内でアナウンスされていた。
階段を上り、改札口を出た。木嶋と富高さんは、地下通路を通りながら、階段を上がったのだ。
そこは、相鉄交番前の出口だった。
出口に出て、木嶋が左手にしていた腕時計で時間を見たのだ。
「午後6時過ぎか…。まだ、時間的に余裕があるかな…?」木嶋は、考えあぐねていた。
木嶋の、右隣りにいた富高さんに、
「富高さん、待ち合わせ時間にはまだ、余裕がありますが…どうしますか…?」問い掛けていた。
富高さんも、
「どうしようか…?」悩んでいた。
木嶋は、
「東急ハンズに行きたいので、一緒に行きませんか?」富高さんに、話しかけた。
富高さんも、見たい物があったらしく
「木嶋君、東急ハンズに行こうか!」軽いノリで来たので、
木嶋も、ノッて
「決定。東急ハンズに向かいましょう。」
相鉄交番前から証券会社の横を通り、橋を渡って行く。
八百屋さんの威勢の良い掛け声が聞こえていた。
「ヘイ、いらっしゃい。今日は、イチゴが安いよ!いらっしゃい!」
木嶋は、
「目の前には、大きなスーパーがあるのに、八百屋さんも頑張っているんだ。」驚きながら、感心していた。
木嶋は、自分の家の近くで、八百屋さんの手伝いをしていた時期があったので、懐かしくなっていた。
その通りを歩いていると、ファーストフード店があったのだ。
「ここのファーストフード店は、客席数やカウンターも多くて大きいなぁ〜。地元には、こんなに大きな店舗はないよ。」富高さんが、驚愕しながら木嶋に、話していたのだった。
木嶋と富高さんは、東急ハンズに着いた。
フロアガイドを確認しながら、木嶋は、道工具のフロアに、富高さんは、地下のフロアに向かって行った。
木嶋は、富高さんが携帯を持っていないので、地下のフロアから動かないように話し、お互いの目的階に足を向けた。
富高さんが、地下のフロアに行ったのには、理由があったのだ。
趣味は、釣りとテニスをやるので、これからの時期は、釣りに出かける回数が多くなるため、バーベキューで使う炭などを探していた。
釣った魚を、その場所で捌きながら、バーベキューするのは、格別な味であった。
木嶋は、会社で使用する道工具を探していた。
道工具のフロアには、理化学用品も置いてあるため、一石二鳥であった。
なかなか自分で使う、道工具が見つからずに、木嶋はイライラしていた。
腕時計を見ると、もうすぐ、はるかとの待ち合わせ時間が、刻一刻と近づいていた。
木嶋は、道工具のフロアから富高さんがいる地下のフロアに、階段を使いながら降りていく。
木嶋が、地下のフロアにいた富高さんに、声を掛けたのだった。
「富高さん、お待たせしました。そろそろ、待ち合わせ時間になるので、場所を移動しませんか?」
富高さんは、
「えッ、そんな時間なの?もうチョット見ていたかったな!」木嶋に、不満を漏らしていた。
木嶋は、
「はるかさんを待ち合わせるのは、マズイですよ。」富高さんに、話していた。
富高さんは、
「木嶋君、また東急ハンズに来る機会があるよね!」木嶋に、問い掛けた。
木嶋は、
「まだ機会がありますよ。」富高さんに、言いながら東急ハンズをあとにしたのだった。