第352話
はるかは、
「私も、麻美さんの新しいお店…オープンしたときに顔を出してみたいな!」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「麻美さんの新しいお店は、もうすぐオープンするようなことを聞いていますので、いつになるのか…確認をします。」はるかに答えた。
はるかは、
「お願いします。もし…都合が合えば行きたいです。木嶋さん、私が、麻美さんの店で働いていたら…顔を出してくれますか?」
木嶋は、
「そうだね。そのときは考えます。ただ、麻美さんの店で働いて欲しい気持ちと、働かなくてもいいんじゃないのかな?今の心境は、《ジギル》と《ハイド》ですよ。」はるかに話したのだ。
はるかは、
「木嶋さんの気持ちは、痛いほど分かります。やはり…今の給料では満足が出来ないのです。」木嶋に告げた。
木嶋は、
「やはりね。現在の給料では満足出来ないのは分からなくもない。何とか…思い留まってほしい!」はるかに伝えた。
はるかは、
「私、欲しい物がたくさんありますが…いいですかね?」木嶋に尋ねた。
木嶋は、
【ドキッ】と、心臓の鼓動が鳴っていた。
「やはりな…!」と、呟き気味に思っていた。
「実は、ブランドの【HERMES】のベルトが欲しいのです。」はるかは、木嶋に伝えた。
木嶋は、
「やはり…はるかさんは、ブランド物に目が行ってしまうのですね!」感心を示し、諦めに近い表情をはるかに示した。
はるかは、
「えぇ。私は、有名ブランドが好きです。欲しい物の中に、もっと…高価な物もあります。一時は高く感じるかも知れませんが、長く使える物と考えたら…そうなってしまいます。」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「はるかさんの話していることは、間違いではありません。しかし、自分としては、再考を促したいのです。」はるかに答えた。
「再考ですか?」はるかは不満な表情を見せつつ…
「それは、なぜですか?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「自分にも、出せる予算があるのを理解して頂きたい…。小遣い、携帯代…その他諸々(もろもろ)と…収支の状況を照らし合わせながら考えないと!」はるかに告げた。
はるかは、
「そうですね。私のワガママばかりを聞いていられないですよね。その他…諸々って…何に使っているのですか?」木嶋に問いかけていた。
「麻美さんの店に行くお金も必要だし、自分の趣味にも使いたい。」木嶋は、はるかに伝えたのだ。
はるかは、
「木嶋さんの趣味ですか?分かりました。いつになれば回答が出ますか?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「2.3日中には、結論が出ると思います。」はるかに話したのだ。
はるかは、
「結論が出たら、私に連絡を頂けますか?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「その時は、連絡を入れますよ!」はるかに答えたのであった。
はるかは、
「私は、これから寄るところがあるので、これで失礼しますね!」木嶋に伝え、席を立った。
木嶋は、
「また、近いうちに会いたいね!」はるかに話した。
はるかは、
「うん。木嶋さんと一緒にいる時間が楽しいですから…近いうちに会えるようにしますね!」木嶋に話し、テーブルから離れて、階段を下りていく。
木嶋は、手を振りながら見送った。
伝票を右手で取り、席を立ち会計を済ませ、横浜駅の改札に向かい、地元に帰って行ったのであった。